小石原川ダム建設事業に係るQ&A

朝倉総合事業所では、小石原川ダム建設事業を進めるにあたり、皆様から事業に関して、数多くのご意見やご質問を頂いていますが、その都度出来るだけ分かり易く回答することに努めてきました。

この度、さらに多くの皆様に小石原川ダム事業について、ご理解して頂けるように、これまでに頂いた小石原川ダムに関するご意見やご質問と、小石原川ダム建設所からの回答をとりまとめ、小石原川ダム建設所のホームページに「Q&A」コーナーを開設しました。

今後とも、小石原川ダム事業に関してご意見やご質問などがございましたら、メール又はお手紙などでお寄せ下さい。いただいたご質問やご意見などについては、適宜、「Q&A」コーナーを更新し、お答えしてまいります。

インデックス

1.小石原川ダム建設事業関係

  1. Q1:小石原川ダム建設事業の目的は何ですか?
  2. Q2:環境アセスメントは、どのように行われたのですか?
  3. Q3:小石原川ダム建設事業による佐田川下流の河川環境の改善の具体的な計画内容は何ですか?

2.小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会関係

  1. Q4:「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」の目的・構成はどのようになっていますか?
  2. Q5:「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」の調査・検討の具体的な内容は何ですか?
  3. Q6:「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」は、住民の意見の反映や情報公開の観点から、どのように進めているのですか?
  4. Q7:「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」のとりまとめは、いつ頃、どのようにまとめるのですか?

3.スイゼンジノリ関係

  1. Q8:スイゼンジノリの収穫量の経年変化は、どのようになっていますか?また、寺内ダムが完成してからスイゼンジノリの収穫量は減少しているのですか?
  2. Q9:黄金川流域周辺の社会・地理的環境、河川環境などについて、昭和50年以降(寺内ダム建設段階~現在)の主な変化は何ですか?
  3. Q10:スイゼンジノリはどのような地域に存在し、どのような状況になっていますか?
  4. Q11:寺内ダムから約2km下流の佐田川に近接する地域に昔、スイゼンジノリの養殖をしていた方がおられましたが、ダム関係で補償対応したのですか?

1.小石原川ダム建設事業関係

Q1 小石原川ダム建設事業の目的は何ですか?

A1

小石原川ダム建設事業は、筑後川水系小石原川の既設江川ダム上流に多目的ダムである小石原川ダムを建設するとともに、同水系佐田川から江川ダム貯水池までの導水施設を建設するものです。(詳細な位置関係は、下図「小石原川ダム建設事業位置図」をご覧下さい。)

小石原川ダム建設事業には、次の目的があります。

  1. 小石原川沿川の洪水による被害を軽減します。
  2. 小石原川、佐田川及び筑後川を流れる水が少ない時にダムから水を流し、流水の正常な機能を維持します。また、昭和53年や平成6年のような異常渇水時には、緊急用に貯水していた水を放流し、渇水による被害を軽減します。
  3. 福岡県南地域の水道用水として、新たに毎秒0.65m3を取水できるようにします。
小石原川ダム建設事業の概要
小石原川ダム
位置
福岡県朝倉市江川(江川ダムの直上流)
河川
小石原川
型式
ロックフィルダム(寺内ダムと同じ型式)
堤高
139m
流域面積
20.5km2
貯水池面積
120ha
導水施設
位置
取水口 福岡県朝倉市佐田(佐田川)
放水口 福岡県朝倉市江川(小石原川)
導水方向
佐田川から小石原川の江川ダム貯水池へ導水します。
水路延長
約5km
取水量
取水地点の佐田川の流量が毎秒0.4m3を上回る時で、かつ江川ダムの貯水池に空容量がある時、最大毎秒3.0m3を取水します。
図

小石原川ダム建設事業位置図

Q2 環境アセスメントは、どのように行われたのですか?

A2

小石原川ダム建設事業は、環境影響評価法に基づき、平成14年から平成16年にかけて環境影響評価(環境アセスメント)を行いました。

小石原川ダムは貯水池面積が120haあり、環境影響評価法で必ず環境アセスメントを行うこととされている「第1種事業」に該当することから、法に基づく環境アセスメントを実施しました。

環境アセスメントの実施では、方法書(アセスメントの方法の案を示した文書)、準備書(アセスメント結果の案を示した文書)、評価書(確定したアセスメント結果を示した文書)を順に作成し、いずれも公告・縦覧を行っています。

方法書については、住民の方々等からの意見、市町村長の意見を聴いた福岡県知事の意見をいただきました。これらを踏まえて作成した準備書についても、方法書と同様に意見をいただいています。また、評価書については、環境大臣の意見、国土交通大臣の意見も踏まえて作成しています。

Q3 小石原川ダム建設事業による佐田川下流の河川環境の改善の具体的な計画内容は何ですか?

A3

小石原川ダム建設事業の目的の一つとして、小石原川、佐田川及び筑後川を流れる水が少ない時にダムから水を流し、流水の正常な機能を維持することがあります。

佐田川下流については、現在、寺内ダム下流で毎秒0.24m3以上の水を非かんがい期(10月1日〜翌年6月20日)に流すこととしていますが、非かんがい期の降雨が少ない時期には、一部で水が流れない無水区間(瀬切れ)が生じています。

佐田川の河川状況について(瀬切れ区間)

 
※第1回小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会 配布資料より

これに対し小石原川ダム完成後には、寺内ダム下流で、一年を通して毎秒0.37m3以上の水を流し河川環境を改善する計画となっています。

既存の江川・寺内ダムでは、洪水時など、貯留できずに下流に流してしまう水の量が合計で年間約4,800万m3(平成10〜平成19年の平均値)もあります。

小石原川ダム計画では、小石原川ダムと導水施設を建設することにより、貯留できずに下流に流してしまう水の量を減らし、流入水を3つの貯水池に、より効果的・効率的に貯めることにより、上流域からの流入水を現在より有効に活用することができます。

                              ※第1回小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会 配布資料より


※第1回小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会 配布資料より

2.小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会関係

Q4 「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」の目的・構成はどのようになっていますか?

A4

小石原川ダム建設事業においては、平成14年から平成16年にかけて実施した環境影響評価(環境アセスメント)で、小石原川・佐田川におけるダム下流の河川環境に関して、より一層の環境保全の見地から、「既設江川ダム及び寺内ダムと相まった適切な運用など下流の河川環境に配慮した操作方法について更に検討を進める」ことを方針として示しています。

また、ダム下流の河川環境を巡っては、環境影響評価の実施以降も、現地調査等による新たな情報が示されています。

水資源機構は、小石原川ダム建設事業の実施にあたり、環境影響評価において示した上記の方針に基づき、また新たな情報も参考にしながら、地下水の動きを含めたダム下流の河川環境の改善に向け、適切な施設運用などについて調査・検討を実施しています。

この調査・検討の実施にあたって、学識経験者による専門的な見地からの指導・助言を得ることを目的として、「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」を、平成21年4月25日に第1回を開催しました。

「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」委員名簿
氏名 所属 専門分野
小野 勇一 (おの ゆういち) 九州大学 名誉教授 生態学
椛田 聖孝 (かばた きよたか) 東海大学農学部 教授 生物資源科学
古賀 憲一 (こが けんいち) 佐賀大学理工学部 教授 水管理環境工学
嶋田 純 (しまだ じゅん)
(委員長)
熊本大学大学院 教授 水文学

(敬称略・五十音順)

第1回配布資料・議事要旨

Q5 「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」の調査・検討の具体的な内容は何ですか?

A5

ダム下流河川について河川環境及び地下水の現状を調査・把握し、河川環境の改善に向け、適切な施設運用などについて調査・検討を実施していきます。

具体的な調査・検討項目としては河川内の自然環境、瀬切れ、土地利用、水利用、地下水位などがあります。

現状把握・分析のための調査・検討項目
項目 調査の内容 検討の内容 対象範囲
河川内の自然環境 既存資料等により、河川の自然環境を整理する 河川を特徴付ける自然環境を把握する 小石原川、佐田川のダム下流河川域
瀬切れ 瀬切れの発生状況、河川流況を整理する 瀬切れと河川流況の関係を把握する 佐田川のダム下流河川域
土地利用 土地利用の実態を整理する ・降雨時と非降雨時、かんがい期と非かんがい期における地下水の状況を把握する
・地下水位調査の結果から地下水等高線を作成し、地下水の動きを把握する
・左記調査と河川流況・降雨の調査を併せ、地下水の動きを把握する
小石原川、佐田川のダム下流域周辺
水利用 かんがい用水の経路、水量の実態を整理する
地下水位 地下水位の観測結果等を収集する

※各専門の先生型に個別指導を頂きながら進める

※第1回小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会 配布資料より

Q6 「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」は、住民の意見の反映や情報公開の観点から、どのように進めているのですか?

A6

「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」については、開催を事前にお知らせし、公開で開催する形式で行っています。
また、検討会終了後には、検討会での配布資料や議事要旨を朝倉総合事業所(小石原川ダム建設)のホームページに掲載するとともに、一般の方々から調査・検討に対するご意見等は、ホームページを通じてや郵送などの方法でお聞きしています。


第1回検討会開催状況(平成21年4月25日)

Q7 「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」のとりまとめは、いつ頃、どのようにまとめるのですか?

A7

次回の「小石原川ダム建設事業に係るダム下流河川環境検討会」は、第1回検討会で委員から頂いたご意見を踏まえて、関係文献・資料の収集・調査や地下水等の現地調査・検討等を行い、その結果を整理した段階で開催する予定です。
その後のスケジュールについては、検討会の審議状況や委員の方々のご判断により決定されると考えています。事務局である水資源機構として、朝倉地域で大切にされているスイゼンジノリを絶やさないとの思いももって、できるだけ早期にとりまとめができるよう調査・検討を進めてまいります。

※検討会は終了しました。検討会によるとりまとめ報告書は以下に掲載しています。

  http://www.water.go.jp/chikugo/koishi/environment/karyu_kasen.html

3.スイゼンジノリ関係

Q8 スイゼンジノリの収穫量の経年変化は、どのようになっていますか?また、寺内ダムが完成してからスイゼンジノリの収穫量は減少しているのですか?

A8

福岡県からスイゼンジノリの収穫量が数値として公表されています。この資料(参考文献の(1)、(2)、(3))によれば、スイゼンジノリの収穫量は下図「スイゼンジノリ収穫量」のような経年変化となっています。
なお、昭和59年〜61年の収穫量は、グラフとして公表されている資料(参考文献の(1))から読みとりグラフ化したものです。
スイゼンジノリの収穫量のピークは、年間200t以上の収穫量があった平成2年や平成5年であり、寺内ダムの管理開始(昭和53年)から12年以上経過した時期です。なお、平成10年以降は減少傾向が続いています。

スイゼンジノリ収穫量グラフ

参考文献

  1. (1)「平成6年度福岡県漁業の動向〜県漁業白書〜」: 福岡県(S59 〜 S61 年のグラフを使用)
  2. (2)「平成9年度福岡県漁業の動向−県漁業白書−」:平成10 年9 月福岡県(S62 〜 H8 年のデータを使用)
  3. (3)「福岡県水産業の動向−平成19年度水産白書−」:福岡県(H9 〜 H18 年のデータを使用)

Q9 黄金川流域周辺の社会・地理的環境、河川環境などについて、昭和50年以降(寺内ダム建設段階〜現在)の主な変化は何ですか?

A9

下図「土地利用の変遷について」は、国土地理院が所有する国土数値情報をもとに、朝倉地域(旧甘木市、旧朝倉町)の土地利用の変遷を概ね10年間隔で示したものです。
これらの図をみると、社会・地理的環境の変化として、昭和51年(1976年)から平成9年(1997年)の20年間で、朝倉市、国道386号沿線を中心に建物用地の増加、自動車道の整備など市街化が進み、一方で水田が減少している様子が伺えます。
また、河川環境の変化としては、佐田川上流に貯水池の出現が見られます。これは、昭和53年に管理を開始した寺内ダムの貯水池です。

土地利用の変遷について
国土地理情報「土地利用細分メッシュ」を元に作成

Q10 スイゼンジノリはどのような地域に存在し、どのような状況になっていますか?

A10

「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック(水産庁編)」などによると、スイゼンジノリは、熊本市内の水前寺公園の名称が和名の由来となっている淡水産の藍藻類です。

熊本市内の上江津湖では、自生しているスイゼンジノリが大正13年に国の天然記念物に指定され、現在は昭和43年に指定された特別保護地域の中で生育しています。しかし、水質と水量の変化により、スイゼンジノリは減少している状況にあるようです。

上江津湖以外の地域では、現在、朝倉市黄金川流域と熊本県下益城郡嘉島町で食用等としてのスイゼンジノリの養殖が、地下水をポンプで揚水するなどして行われています。

参考文献

Q11寺内ダムから約2km下流の佐田川に近接する地域に昔、スイゼンジノリの養殖をしていた方がおられましたが、ダム関係で補償対応したのですか?

A11

寺内ダムから約2km下流の佐田川に近接する右岸(川の流れる方向を向いて右側。)で、スイゼンジノリ(地元では、一般に「川茸(かわたけ)」と呼ばれています。)を養殖していた方がいました。

養殖していた方には、栽培場が佐田川に近接しているため、寺内ダム建設事業による局所的な影響などから、収穫減に伴う減収に対する補償(損失補償)を昭和54年に行いました。

その後、昭和57年にこの方はスイゼンジノリの養殖を廃業されたと聞いています。