都市用水需給量
木曽川水系水資源開発基本計画(平成16年6月閣議決定)によると、平成27年度の都市用水の需要量は、毎秒69立方メートルが見込まれています。
この計画では、将来の水需要について見直すとともに、近年の降雨状況による流況の変化を踏まえて安定供給能力の低下も示され、長良川河口堰や徳山ダムで開発された水を含めて、平成27年度を目標に近年20年に2番目の渇水年の流況に対し水需要バランスを図っています。
長良川河口堰の開発水量である毎秒22.5立方メートルは、都市用水供給量(開発水量)の約20%を占めています。
昭和36年から平成16年の累積地盤沈下量(単位:cm)
このため、新たな水源として地下水には依存できないことはもちろん、地盤沈下を防止するためには積極的に表流水への転換が必要となりました。
そのためにも、木曽川水系の水資源開発を整備していくことが必要です。
長良川河口堰によって堰上流水域が淡水化され、新たに水道用水、工業用水合わせて最大毎秒22.5立方メートルの水が利用できるようになりました。
新規開発された水量のうち、平成10年4月から長良導水、中勢水道の取水が開始されました。
愛知県知多半島地域4市5町(半田市、常滑市、東海市、知多市、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町)への水道用水の取水を行っています。
三重県中勢地域2市(津市、松阪市)への水道用水の取水を行っています。
利水の内訳(最大量、単位:立方メートル)
愛知県 | 三重県 | 名古屋市 | 計 | |
水道用水 | 8.32 | 2.84 | 2.00 | 13.16 |
工業用水 | 2.93 | 6.41 | 9.34 | |
計 | 11.25 | 9.25 | 2.00 | 22.50 |
河口堰の本格運用前は、マウンド(河口から約15km)より下流で取水していた既存用水では、地盤沈下による河床低下で塩水の進入が進み、取水した水に塩水が混入するようになり安定した取水はできていませんでした。
しかし、長良川河口堰の本格運用以降は、堰の上流域が淡水となり安定した取水が可能となりました。
また、マウンドより上流で取水していた長良川用水(水利権量 毎秒8.78立方メートル)も、河口堰により水位が一定に保たれることになり、潮汐の影響を受けていた頃に比べ安定的な取水が可能となりました。