独立行政法人水資源機構第2期中期目標

平成20年 2月29日

(序文)

独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第29条第1項の規定に基づき、独立行政法人水資源機構(以下「機構」という。)が達成すべき業務運営に関する目標(以下「中期目標」という。)を定める。

(前文)

水は生命の根源であり、生活の基盤をなす基本的な資源である。 水利用の実態を概観してみると、これまでの水資源開発により、増加し続けてきた水需要に対し供給が追いつかない状況は脱しつつあるところであるが、気候変動等により豪雨の頻度や渇水の影響を受ける地域が増加する可能性が高いことがIPCC(気候変動に関する政府間パネル)により報告されており、今までにない深刻な事態が生じることが懸念される。
また、国民の健康面での安全性に関する意識の高まり等から、飲料水、かんがい用水等として利用される水の「質」に対する要求も高くなっている。
機構が、水資源開発基本計画に基づく水資源の開発又は利用のための施設の改築及び管理等を行うことにより、用水を必要とする地域に対する水の安定的な供給の確保を図るという根幹的な役割を果たしていくに当たっては、今後管理の役割がますます重要になっていくことを踏まえ、施設の円滑な建設・管理事業の実施のため、ストックマネジメント(施設の長寿命化や有効活用等によるライフサイクルコスト縮減と確実な施設の機能の維持を図る手法)の強化、関係機関との連携、水質を含めた環境の保全に関する配慮、ライフライン確保等の観点からの適切な危機管理、水源地域の保全・活性化、技術力の維持・向上等に継続的に取り組むこと等により、利水者・国民のニーズに応えるよう努めることが期待される。
これらの業務実施に当たっては、独立行政法人制度の趣旨に則り、適正かつ効率的に業務を運営するとともに、利水者をはじめとした関係者はもとより広く国民に対し組織及び業務運営の状況につき適切に情報提供に努めなければならない。また、国民の信頼を確保するため、コンプライアンス(法令遵守)の徹底を図ることが必要である。
さらに、水資源開発基本計画が変更された際や行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成13年法律第86号)に基づく個別事業の事業評価等が行われた際は、必要に応じて、事業実施計画・中期計画の変更等の措置を早期に講じるものとする。  以上の観点を踏まえた上で、機構の有する人材、技術、施設等の様々な資産を組み合わせて効率的に運用し、水道、農業、工業の各用水の低廉かつ長期安定的な供給等を行うことにより、国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資するという、法人の任務を的確に遂行するものとする。

1 中期目標の期間

機構の第2期の中期目標の期間は、平成20年4月1日から平成25年3月31日までの5年間とする。

2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項

【1】的確な施設の運用と管理

  1. 施設管理規程に基づき的確な施設の管理を行うとともに、安定的な水供給に努めること。特に、渇水等の異常時においては、河川管理者、利水者及び関係機関との調整を図り、その影響の縮小に努めること。
  2. 日常的に水質情報を把握し、安全で良質な水の提供に努めること。また、水質が悪化した場合及び水質事故発生時には、河川管理者、利水者及び関係機関との調整を図り、その影響の軽減に努めるとともに、必要に応じその対応について率先した役割を担うこと
  3. 治水機能を有するダム等においては、的確な洪水調節等の操作を行い、洪水被害の防止又は軽減を図ること。
  4. ダム・水路等施設において、ストックマネジメントを実施すると共に、機械化・電子化を一層推進するなど効率的かつ安全な施設管理を行うこと。また、施設のさらなる耐震化や災害発生時の迅速な災害復旧工事等の的確な実施を図ること。
    さらに、施設管理に附帯する業務や発電等の受託業務の的確な実施を行うこと。

【2】リスクへの的確な対応

異常渇水、大規模地震等不測の事態に対するリスク管理体制を確立し、日頃から危機的状況を想定し、訓練等を実施することで、危機的状況の発生時には的確な対応を図ること。

【3】計画的で的確な施設の整備

  1. 施設の新築事業については、施設の長寿命化に取り組みつつ、計画的かつ的確な実施に努めること。
    なお、本体工事に着手していないダム等の建設については、次期再評価時において、水需要の動向を踏まえた必要性、費用対効果、事業進捗の見込み等について、予断を持つことなく実施した厳格な評価に基づき、事業の実施が必要と認められるもののみを継続すること。
  2. 施設の改築事業については、ストックマネジメントの充実を図る観点並びに水路からの漏水防止及び大規模地震時等の施設損壊による断水防止等の安定的な水の供給の観点から、計画的かつ的確な実施に努めること。
  3. ダム等建設事業において、特定事業先行調整費制度等を活用することにより、工期の遅延やこれに伴うコスト増を回避し、事業の計画的かつ的確な実施に努めること。
  4. 1及び2に附帯する業務並びに委託に基づき実施する発電に係る業務についても、的確な実施に努めること。また、継続中の事業については、その事業の進捗状況を踏まえた中期計画を作成すること。また、中期目標期間内の事業の実施に当たっては、毎年度の国の予算を踏まえた上で、的確に行うこと。

【4】環境の保全

業務の実施に当たっては、環境の保全について配慮することとし、自然環境 保全対策、地球温暖化対策、良好な景観形成等に取り組むこと。

【5】技術力の維持・向上と技術支援

技術力の維持、向上及び蓄積した技術力の広範な提供を行うこと。また、水資源管理を担う海外の機関と水資源に関する技術情報及び知識を共有することなどにより、技術力の維持・向上を図ること。
さらに、気候変動への的確な対応を図るとともに、水資源の有効利用について調査、研究すること。
調査、設計及び研修等並びに施設の工事及び管理を受託した場合には、その適切な実施を図ること。

【6】関係機関との連携

適切な役割分担の下に効率的な業務の実施を図るため、利水者をはじめとした関係機関に対し、業運営に関する適時適切な情報提供等を行うこと等より積極的な連携を図ること。また、用途間転用等水資源の利用の合理化の実施、費用の負担割合の決定等に当たっては、関係機関との円滑な調整に努めること。

【7】水源地域等との連携

水源地域の自立的・持続的な活性化と流域圏の発展に貢献するため、自治体、住民等と積極的な連携を図ること。また、上下流交流を推進し、水源地域と下流受益地の相互理解を促進すること。

【8】広報・広聴活動の充実

広報の質の向上に取り組み、必要とされる情報を的確に発信し、利水者をはじめ広く国民から機構の果たしている役割・業務について理解を得るとともに、広く意見を聴取すること。

【9】内部統制の強化と説明責任の向上

業務運営の適正化を図るため、コンプライアンスの徹底や監事機能を強化する他、以下のことに努める等、内部統制の強化と説明責任の向上を図ること。

  1. 札契約制度における競争性や透明性の確保
  2. 「随意契約の見直し計画」に基づく取組みの実施及び公表
  3. 監事及び会計監査人による監査(入札・契約の適正な実施についてチェックを受ける)
  4. 関連法人との関係の透明性の確保
  5. 談合防止対策の推進等

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3 業務運営の効率化に関する事項

【1】機動的な組織運営

機動的な組織運営を図るため、重点的かつ効率的な組織整備を行うこと。
また、人事制度の適切な運用や職員のインセンティブ確保等による資質向上に努めること。

【2】効率的な業務運営

業務運営全体を通じて、情報化・電子化による業務改善、業務の一元化による組織のスリム化及び外部委託等を推進することにより、効率的で経済的な事業の推進を図ること。

【3】事務的経費の節減

務的経費(人件費及び公租公課を除く。)については、前中期目標期間の最終年度(平成19年度)と中期目標期間の最終年度(平成24年度)を比較して15%節減すること。

【4】総人件費改革に伴う人件費の削減

簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成18年法律第47号)に基づき、平成18年度から平成22年度までの5年間において、人件費(退職手当等を除く。)について5%以上の削減を行うほか、中期目標期間を通じて国家公務員に準じた人件費縮減の取組みを行うこと。
また、国家公務員の給与構造改革を踏まえた給与体系の見直しを進めることとし、給与水準の適正性について検証し、その検証結果や取り組み状況を公表すること。

【5】コスト構造改革の推進

「公共事業コスト構造改善プログラム」に基づく施策を実施し、できるだけ安価に水を供給する観点から工事等のコスト縮減に取り組むこと。

【6】事業費の縮減

事業費については、新築・改築事業費を除き、第1期中期目標期間の最終年度(平成19年度)と中期目標期間の最終年度と比較して12%縮減すること。
また、新築・改築事業については、事業費及び事業の進捗状況を適切に管理し、円滑な業務執行を図ること。

【7】適切な資産管理

保有資産の見直しを計画的に実施するとともに、事業資産の管理をより適正に行うこと。

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4 財務内容の改善に関する事項

「2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」及び「3 業務運営の効率化に関する事項」で定めた事項について配慮するとともに、中期目標期間中に計画される事業量等に基づき中期計画の予算を作成し、当該予算による業務運営を行うこと。

5 その他業務運営に関する重要事項

【1】施設・設備に関する計画

機構の保有する宿舎、研修施設又は実験設備等については、必要な機能を長期間発揮できるよう、的確な維持管理に努めるとともに計画的な整備・更新を行うこと。

【2】人事に関する計画

人員の適正配置により業務運営の効率化を図ること。

【3】積立金の使途

積立金の使途については、利水者等の負担軽減を図るために活用すること。

【4】その他当該中期目標を達成するために必要な事項

  1. 利水者負担金に関する事項
    利水者の負担金の支払方法について、前払いする方式の活用など利水者の要望も踏まえ適切に対処すること。
  2. 中期目標期間を超える債務負担
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