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JICAジェネベラン川流域管理能力強化計画調査カウンターパート研修インタビュー

水資源機構は国際協力機構(JICA)よりジェネベラン川流域管理能力強化計画調査カウンターパート研修を受託しました。JICAからの受託による研修は、昨年10月の統合的水資源管理研修に続き2つ目です。 今回の研修は、インドネシアのジェネベラン川流域を管理する公団の設立が予定されており、この公団の設立と運営に関し水資源機構の技術や経験を調査研究することを目的としています。
研修は平成17年2月3日から24日の22日間で、室内講義、現地視察等のカリキュラムが組み込まれていました。受講生はWAKITO氏、PRABOWO氏の2名です。
研修最終日の前日、両氏に、研修の感想についてインタビューしました。

インタビューの状況
写真-1 インタビューの状況
(右から1人目WAKITO氏、2人目PRABOWO氏)

Q:ジェネベラン川について教えてください。

ジェネベラン川は、インドネシアのスラウエシ島南部の南スラウェシ州の南端を流れる全長約75km、流域面積約762km2の河川です。流域の人口は約120万人で、下流にはインドネシア第4位の人口規模を誇る州都のマカッサル市があり、第2次五か年計画(1974~1978年度)以降、東インドネシア地域における最大の開発拠点に指定され、工業化および都市開発計画が推進されてきました。また、マカッサル市一帯はジェネベラン川の氾濫により、たびたび洪水被害を受けてきました。さらに、当該地域は排水能力が不十分であり、毎年内水被害にも見舞われました。マカッサル市は、洪水防御は、生活環境整備および経済活動の基盤整備にかかる緊急課題でした。
1978年にジェネベラン川の洪水防御及び水資源開発のマスタープラン「ジェネベラン川総合開発計画」が立てられ、海外経済基金(OECF)の資金援助によりマスタープランの中核となるビリビリ多目的ダムの建設が行われました。ダムの建設により治水・潅漑・上水道・発電で大きな効果が期待されています。本事業と併行して「ウジュンパンダン上水道整備事業」や「ビリビリ潅漑事業」、「多目的ダム発電事業」も円借款により進行中です。

ジェネベラン川流域の概要
図-1 ジェネベラン川流域の概要(提供:WAKITO氏)

Q:ジェネベラン川はどのような体制で管理されていますか?

 インドネシアの河川は公共事業省水資源総局が管理しています。水資源総局には、各地方を所管する東部地方局、西部地方局、中部地方局の3局と、治水利水を所管する水資源管理局、技術面を所管する技術評価局の5つの局があります。地方局には各出先事務所があり、ジェネベラン川を管理する公共事業省ジェネベラン川流域開発事務所は、東部地方局に属しています。ジェネベラン川流域開発事務所には数百人の職員で構成され、ビリビリダムの管理、上流の貯砂ダム、砂防ダムの管理、ダム下流の河川管理、観測設備の管理を行っています。
インドネシアでは、国から地方への大幅な権限委譲が行われています。また、水資源セクターでは、過去の投資効果が十分に発揮されていないという反省から、現在、関連各支援機関の協力のもと構造改革が進められており、(a)水資源開発・管理制度(b)流域管理のための組織的・財政的基盤(c)地方水質管理制度・実施体制(d)灌漑管理政策・体制・法令について改善が進められています。
このような地方分権化推進及び水資源セクターの構造改革のもと、現在、ジェネベラン川など4流域で流域管理公団の設立を計画されています。
ジェネベラン川流域の管理は、今後は、主要河川は流域管理公団によって、末端支川は州流域管理事務所によって管理される予定となっています。 しかしながら、これらの2組織は新設予定及び設立直後の組織であるため流域管理を行い得る状態にはありません。そのため、インドネシア政府は、 早期に新しい流域管理体制へ移行できるよう、JICAの技術協力によりジェネベラン川流域管理能力強化計画調査が行われることとなりました。 今回、この一環で行われる研修に参加することで来日しました。

Q:PRABOWO氏、WAKITO氏の立場、公団化にどのように関わっていますか?

PRABOWO氏:私は本省水資源総局の水資源担当ですが、本省で流域管理公団の設立の支援を行います。 なお、本省については近々、地方局を廃止し、灌漑局、河川局、湖沼・海岸局、計画局、水利用局に組織再編が行われ予定であり、公団が本省にどういう形で属するのかは、 まだ決まっていません。
WAKITO氏:流域管理公団に配属される予定ですが、どの部署に所属するかはまだ決まっていません。なお、公団は、計画では2005年3月に設立される予定です。

Q:今回の研修で最も印象に残った講義、現場視察は何ですか?

どの講義も甲乙つけがたいものばかりでした。全体的に良く、全てから得るものがありました。
現場視察で特に印象に残ったのは、利根導水路、新河岸川地下排水河川、滝沢ダム、豊川用水です。 利根導水路では施設を水資源機構と受益者受水者の土地改良区が、それぞれ分担して合理的に管理している点です。 新河岸川は、都市化の進んだ人口密集地での総合治水対策事業として、地下河川放水路の建設や学校・公園や一般の家屋に一時的に貯留する施設の建設で、 都市での治水対策が斬新的でした。滝沢ダムについては、機械化施工が進んだ大規模ダムの建設であり、建設が終わりの時期ではあるが、 機械化により作業員が少ないことに感心しました。豊川用水については、ポンピングステーション等が多くあり、自然流下のみでなく、 ポンプにより面的に広く配水されている点に感心しました。

講義風景(その1)

写真-2 講義風景(その1)

講義風景(その2)

写真-3 講義風景(その2)

現地視察(利根大堰)

写真-4 現地視察(利根大堰)

講義風景(豊川用水)

写真-5 講義風景(豊川用水)

Q:今回の研修をインドネシアでどのように生かしたいですか?

PRABOWO氏:日本の河川管理を自治体に紹介し、普及させたい。そのためのガイドライン、指針づくりを進めていきたい。今回の研修により河川管理の技術向上が図られ、多くの参考資料を得ることができた。日本とインドネシアでは状況、資金力は異なるが、今回勉強したことは全て伝えていきたい。
WAKITO氏:日本でもインドネシアで使用しているものと同様の機器を使用していたが、使用方法、データ収集方法、管理への生かし方、機器の維持管理等をインドネシアで適用したい。マニュアル等も整備していきたい。また、公団に配属されたら、そのメンバーに伝えたい。

Q:今後、水資源機構に何を期待しますか?

PRABOWO氏:インドネシアは、まだまだ、統合的水資源管理(IWRM)を導入、実現できていません。昨年2月にアジア河川流域機関ネットワーク(NARBO)が設立され、このネットワークを通じて、日本からIWRM達成のための様々な支援を期待しています。
WAKITO氏:日本は土木技術の面においても、技術先進国であり、その高度技術をインドネシアに技術移転するような技術支援を期待しています。

有り難うございました。
お二人がご活躍され、ジェネベラン川流域管理公団の設立が滞りなく進み、ジェネベラン川流域が発展することを祈念致します。

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