■琵琶湖総合開発事業と琵琶湖開発事業

琵琶湖総合開発事業は、「琵琶湖総合開発特別措置法」に基づき、わが国で初めて地域開発と水資源開発を一体的に進めた事業です。


その基本目標は、琵琶湖の恵まれた自然環境の保全と汚濁しつつある水質の回復を図ることを基調とし、その資源を正しく有効活用することにあります。そして琵琶湖及びその周辺地域の保全、開発及び管理について総合的な施策を推進することによって、関係住民の福祉と近畿圏の健全な発展に資することです。

事業は、琵琶湖の水質や恵まれた自然環境を守るための「保全対策」、琵琶湖周辺の洪水被害を解消するための「治水対策」、琵琶湖の水をより有効に利用できるようにするための「利水対策」の3つの柱で構成され、「琵琶湖総合開発計画」という大きな枠組みの中で、国、地方公共団体が実施する「地域開発事業」と、水資源開発公団(現、水資源機構)が実施する「琵琶湖治水及び水資源開発事業」(琵琶湖開発事業)により、事業相互に調整を図りながら進められました。

琵琶湖開発事業は、関係機関、地域住民の方々のご理解とご協力のもと、20年の歳月を経て平成3年度に竣工しました。5年後の平成8年度には、地域開発事業も終了し、琵琶湖総合開発事業が終結しました。

琵琶湖総合開発事業

琵琶湖開発事業

 

地域開発事業

湖岸堤・管理用道路
内水排除施設
南湖浚渫
瀬田川浚渫
瀬田川洗堰の改築
管理設備

道路(管理用道路含む)
河川
水道
工業用水道
土地改良
水産
港湾
漁港
都市公園
自然公園施設

砂防
ダム
地山
造林・林道
下水道
し尿処理
自然保護地域公有化
畜産環境整備施設
農業集落排水処理施設
ごみ処理施設
水質観測施設

(左)に示す範囲は、水資源開発公団(現、水資源機構)が実施した事業。

(右)に示す範囲は、国、市町村が実施した事業。

(中央)に示す範囲は、

が相互に関係するもので、

 

互いに協力することで、より合理的に効果を発揮できる事業。

  水資源開発公団事業(琵琶湖開発事業)

湖岸堤

瀬田川浚渫

琵琶湖の洪水を防ぐため、湖周辺の地盤の低い地域に堤防を設けました。

湖岸堤ー空から

水の流れがスムーズになるように、また水位が低下しても船舶の運行に支障がないように、瀬田川の川底を掘り下げる工事を行いました。

瀬田川浚渫ー空から

内水排除

瀬田川洗堰改築

田畑などにたまる水を琵琶湖に汲み出す排水ポンプを、大雨などで湛水被害の大きい地域に設置しました。

渇水期に貴重な水を無駄に放流しないために、水位が低くても放流量を正確にコントロールできるバイパス水路を瀬田川洗堰の横に設置しました。

内水排除ー空から 瀬田川洗堰改築ー空から

南湖浚渫

管理設備

公団事業(琵琶湖開発事業)と地域開発事業

河川(湖岸堤関連河川を含む)

水産施設

折れ曲がった川や川底の高い川などの氾濫を防ぐため、川筋をなおしたり、川底を掘り下げたり、川幅をひろげるなどの改修を行いました。

河川開発

琵琶湖の貴重な水産資源であるアユを守るため、湖の水位が低下したときの産卵場として安曇川河口と姉川河口に人工河川をつくりました。

水産施設

上水道

港湾・漁港

琵琶湖の水位が低くても水が確保できるように、取水施設の沖出しやポンプの増設を行いました。

上水道

琵琶湖の水位の低下によって船舶の運行や停泊に支障をきたす港湾や漁港などで、繋船岸などの改築と航路、泊地の浚渫を行いました。

港湾・漁港

道路(管理用道路を含む)

工業用水道

土地改良(農業用水を含む)

都市公園

自然公園施設

その他施設

地域開発事業

下水道

造林・林道

砂防

自然保護地公有化

ダム

畜産環境整備施設

治山

農業集落排水処理施設

ごみ処理施設

水質観測施設

し尿処理