ぽとり~職員のコラム

2013年08月19日

それ行け!ハチの巣特攻隊


 敵基地発見の第一報が入った。我が社の小屋の軒下にハチの巣が見つかったのである。迂闊に近寄るとハチに刺されるかもしれない。ハチ刺されは毒蛇などとならぶ季節の事故として労働災害のテーマである。特に、スズメバチは有毒であって、毒が目にはいると失明、ひどいと死に至ることがあるほど恐ろしいものらしい。でも、スズメバチかどうかは表札がないのでわからない。確実なのは専門業者による駆除だがお金はない。そのとき、何故かはわからないが一人の人物が立ち上がった。その人物こそ「それ行け!ハチの巣特攻隊長」である。

 隊長は不幸にも事務所にハチの巣駆除用の防護服があることを知っていた。防護服を持ち出した隊長は執務室で試着を始めた。本人には内緒だが、どちらが前かわからない宇宙人のようで格好悪かった。写真を撮っておくべきだった。これに害虫用のスプレーでもあれば一応の装備は整う。スプレーはあった。これで、隊長は自らハチの巣を攻撃する意志がかたまったようであった。

 攻撃には二人以上の隊員が必要だ。万が一の負傷時には一人では動きが取れないからである。隊長は志願を募った。しかし、この任務は危険なのだ。失敗するととても痛そうなのだ。それにもまして、「ん?なんのこと?」とか「何で私が」とか「防護服がダサイ」などという理由で誰も志願しなかった。隊長は女性スタッフの説得に当たったが、「背が届かない」という理由で断られていた。ホントの理由は違うと思う。さて、こういう場合、若手が招集されるものだ。2名が任命された。この特別攻撃隊編成の決定により、任命されなかった若手ではないスタッフは口が軽くなった。「見に行ってもいいか」とか「ハチは食えるのか」などといった議論が交わされた。隊長はみんなの無責任さを痛感していたに違いない。

作戦決行の日、新たな隊員を加えて4名が出撃した。この4名の若手の平均年齢はおそらく45歳を超えている。不安な表情をしているのではないかと思われた隊員たちは、ゴルフに行くより気楽に見えた。やっぱり意外と若いのかもしれない。出撃後のことはわからないが、防護服は一着しかない。生身の人は襲われるとひとたまりもないから安全な場所で待機していたものと思われる。安全な場所とは窓を閉じた車の中だ。3人はエアコンを効かした車内で応援に専念していたに違いない。

攻撃は成功した。この隊長が防護服を着る限り、作戦の成功は約束されたようなものだ。次からは5人目の隊員として志願することにしよう。

<注意>ハチの巣の駆除は危険です。専門業者にお願いしましょう。

ハチの巣駆除用の防護服