ダムの貯水位は年間を通して一定ではありません。6月から10月にかけては、前線や台風によって雨が多く降ることから、水位を冬場より14m程度低くしておき、出水時に多く水を貯められるようにしておきます。
台風や大雨により大水が出た時、ダムに入ってくる大量の水をため込み、ダムからは安全な量の水を流すことで、下流の川の水位を低くして洪水被害の軽減を図ります。
一庫ダムから水を補給することで、およそ45万人の水道用水を下流で取水できるようにします。兵庫県(川西市、宝塚市、神戸市、伊丹市、尼崎市、西宮市、猪名川町の6市1町)および川西市へは「多田浄水場」より、池田市および豊能町へは「古江浄水場」より取水された水が供給されます。
ダムができる以前から川の水を利用していた人が継続して使えるように、また、河川環境(魚類の生息環境等)を保全するために、常に川に水が流れる状態にします。
ダムには洪水の時に使われるゲートと普段の時に使われるゲートまたはバルブが設置されています。ここでは、普段の時ダムから放流され、利用されている水の量を調整するゲートおよびバルブを紹介します。(利水放流設備)
洪水時に使用する洪水吐きには、2種類あります。
通常の出水時は常用洪水吐きゲートから放流します。
非常用洪水吐きゲートは、一庫ダムが管理を開始してから、実際の放流で使用したことはありません。