徳川時代の始めの頃、ある人の跡取り息子が、原因のわからない病気にかかりました。両親が医者に見せたり、一生懸命看病をしますがどんどん悪くなるばかり。
ある夜、看病疲れでうとうとした母親が「高月町の馬上(まけ)に湧き出ている清水を百日飲ませなさい。」というお告げを聞いたのです。両親はすぐお告げの場所を探し、息子に清水を飲ませ続けました。
そして百日目…。目の前に仙人が現れ、「よくぞ百日続けた。神様の御利益(ごりやく)あり。」と言い残すと消えていきました。すると不思議なことにあれほど重かった息子の病気が日に日によくなったということです。
その湧き出る場所を「テンオー」といいましたが、日本の天皇様の名を借りて「天皇の水」と名付けたということです。