群馬用水管理所

地域とともに生きる群馬用水

水が支える豊かな社会 独立行政法人「水資源機構」

事業案内

事業案内


事業内容 
組織図
事業の歩み
用水の供給
群馬用水は、矢木沢ダム及び奈良俣ダム等を水源として、農業用水と水道用水を供給する施設です。取水は沼田市岩本地点の利根川右岸から行い、赤榛分水工で赤城幹線・榛名幹線に分水し、分水口、揚水機場等を経由して用水の供給を行います。
 農業用水は、赤城山南麓や榛名山東麓の農業地帯のうち、前橋市など7市町村の耕地約6,300haの畑地かんがい、田畑輪換、既成田の用水補給のため、最大毎秒12.44立方メートルの用水を供給します。
  水道用水は、県央地域の前橋市、高崎市、渋川市など8市町村に最大毎秒4.292立方メートルを供給します。

群馬用水施設緊急改築事業(平成15年10月~平成22年3月)



概要 
概要図
完成工事



経緯

群馬用水施設は、水資源開発公団営事業として昭和44年度末に完成しました。しかし、その頃から米の生産調整(開田抑制策)が始まり、また、その後の都市化の進展に伴う田畑及び農家の減少等を受けて、施設と水を有効に活用することを目的として、昭和55年度に利水高度化計画が策定されました。
 これにより、余剰水の水道用水等への転用が位置づけられ、以降、農業用水及び水道用水を供給する施設として地域の発展に大きく貢献しています。

平成元年度
農林水産省による水資源開発公団造成施設機能調査(~平成3年度)
水利用実態調査及び主要各施設の機能調査が行われました。
平成3年度 厚生省による水資源開発施設基本計画調査(~平成4年度)
平成4年度 農林水産省による群馬用水二期地区調査(~平成10年度)
施設の現状調査と維持管理システムの見直し及び水利システムの見直しに重点を置いた改築事業計画がとりまとめられました。
平成10年度 群馬県の群馬用水関係部局課による群馬用水施設検討委員会の設置
平成11年度 21世紀のぐんま用水施設在り方検討委員会が設置され、現地調査を実施し改築の必要性と緊急性について検討を行いました。
平成12年度 21世紀のぐんま用水施設在り方検討委員会において、施設の改修・改築方法の検討とりまとめが行われました。
平成13年度 「群馬用水施設緊急改築事業」(総事業費244億円)として予算要求が行われました。
平成14年度 事業着手
平成19年度 事業後期を1年延伸
平成21年度 事業完了
 これまでの間、群馬用水土地改良区理事長を会長とする群馬用水二期事業推進協議会が農業用水受益市町村長、議会議長等により組織され、国をはじめとして関係機関へ事業実施への働きかけを行ってきました。


費用負担



群馬用水施設緊急改築事業の事業費の負担割合は下表のとおりです。
区      分 施  設 農 業 用 水 水 道 用 水
負 担 額 割合% 負 担 額 割合%
共 用 施 設 138.6 78.8 56.87 59.8 43.13
農業専用施設 105.4 105.4 100.00
244.0 184.2 59.8


事業の目的



  •  群馬用水施設は通水開始から30有余年を経過し、劣化した施設が損壊した場合には、以下のような問題が生じる危険性
  • がありました。

      1. 1.利根川サイホンや吾妻川サイホンなどのプレストレストコンクリート(PC)管を使用しているサイホンでは、管の破
      2.  裂や地震による継ぎ目離脱の事故が発生した場合には復旧までに長時間を要したり、水路周辺の施設や住民の方々に被
      3.  害を及ぼす危険性がありました。
      1. 2.水管橋や水路橋は、強い地震の時などに破損した場合には復旧までに長時間を要したり、施設の周辺や住民の方々に
      2.  被害を及ぼす危険性があります。また、一部の水路橋では落下する危険性がありました。
      1. 3.開水路の一部にはクラック(ひび割れ)が発生しており、そこからの漏水により水路が破損し、斜面が崩壊した場合
      2.  には復旧までに長時間を要したり、水路周辺の施設や住民の方々に被害を及ぼす危険性がありました。
      1. 4.揚水機場は30有余年を経過し、劣化による操作機器やポンプ施設の故障が頻繁に発生し、送水が停止する事故も発生
      2. していました。
  •  以上のような問題を解決するため、群馬用水施設緊急改築事業は緊急的に改築を行い、用水の安定供給の確保と施設周
  • 辺へ被害が及ぶことを防止することが目的でした。


  • 施設改築計画


    区    分 施   設 工   種 施 設 改 築 計 画
     取水施設  取水口  耐震補強  門柱補強(1カ所)
     幹支線水路  サイホン・暗渠  既設管補強  既設管内挿入工・敷設替え
     既設管管更生工(6.3km)
     水管橋  水管橋補強  耐震補強・たわみ補強
     電食対策(7カ所)
     水路橋  耐震補強・
     たわみ補強
     クラック補強
     耐震補強・たわみ補強
     クラック補強(16カ所)
     開水路  改築  開水路工(0.5km)
     榛名調整池  改築  調整池改築(1カ所)
     揚水機施設  揚水機施設  更新  ポンプ設備更新(6機場)
     耐震補強  建物耐震補強(6機場)
     管理施設  管理施設  更新  水管理設備更新(1式)
     耐震補強  操作施設耐震補強(1カ所)

    既設管の補強

    破裂したプレストレストコンクリート(PC)管
    古くなったパイプは壊れやすかったり、大きな地震が起こったときに継ぎ手がはずれて、漏水する危険性があるため下の図のように改修しました。

    水路橋・水管橋の補強

    赤城幹線 細ヶ沢 水路橋
    強い地震があっても大丈夫なように下の図のように橋脚に鉄板を巻いたりして補強しました。
      また、たわみの大きい水路橋はケーブルを張って補強しました。

    開水路の改築

    開水路 クラックの状況
    鉄筋コンクリートの水路に改築しました。この改築により水を流しながら水路内に溜まった土砂を取り除けるようになりました。

    揚水機場の更新

    相馬揚水機場
    設置後30有余年を経過し、機器が故障し送水が停止するような事故が頻繁に発生していました。
      また、機器が古く、特注品のため修理に必要な部品の調達や復旧に長時間を要しています。このため、ポンプを更新して安定して水を送れるようにしました。


    群馬用水緊急改築事業(平成26年10月~平成31年3月)

    緊急改築事業の目的


     

     群馬用水施設は通水開始から40有余年を経過し、施設各所の劣化が目立つ様になってきました。
    そこで、平成15年から平成22年にかけて群馬用水施設緊急改築事業として老朽化した施設の補強などを実施してきました。その後、定期的に実施している施設機能調査において、前回は改築対象外となっていた榛名幹線有馬トンネルにおいて、段差を伴う大きなひび割れやトンネル背面の空洞、地下水の多量の浸入水があり、著しく劣化が進行していることが判明しました。このまま放置しておくと、トンネルの崩落等により、次のような問題発生し非常に危険です。
    ① 有馬トンネル下流農地の地域農業に支障をきたす。
    ② 県央第一水道から水道を受水している市町村及び高崎市の水道用水供給に大きな影響が生じる。
    ③ 有馬トンネル崩落等に伴う周辺二次被害の発生が生じる恐れがある。
     以上のような問題を解決するため、群馬用水緊急改築事業で緊急的に有馬トンネルの補強を行い、用水の安定供給の確保と地域防災に寄与することを目的に事業を実施します。
     




    施設改築計画


     
     
     トンネル補強工事は、送水を停止し、トンネル内を空水状態にする必要がありますが、年間を通じて用水供給を行っているため、送水を停止することは、地域の農業、生活に大きな影響が生じることになります。そこで、はじめにトンネルの隣に水路を設置(併設水路という)し、併設水路に送水を切り替えることにより用水の供給を止めることなく工事を行う計画です。また、工事完了後も併設水路をそのまま残すことで、送水を停止することなくトンネルの保守点検が実施できることになり、将来にわたって安定した用水供給が期待できます。
        
                                                                                          
    事業費 /30億円
    工 期 /平成26年度から平成30年度(5年間)