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 トップページ > 空心菜の水耕栽培

 

 

 阿木川ダム湖では平成9,11,14〜16年にアオコが発生し「景観障害」や「異臭味障害」が起こったため、平成17〜19年にかけて、アオコの発生抑制する曝気循環(湖水を空気によりかき回す)装置を設置しました。
 一方自然に負荷の少ない浄化方法として、地元恵那農業高校の提案により恵那市、恵那農高、地域の方々、ダム管理所が協動して空心菜の水耕栽培による実験を平成16年から試みています。

 


 アオコは植物性プランクトンが異常に増え水面に集積することにより水の色が変化する現象を指し、このような現象を起こす代表的な植物プランクトンとしては、藍藻類のミクロキスティス、アナベナが上げられます。藍藻類は藻類の中でも最も下等な生物で、水分のあるところならどこでも生育します。細胞は葉緑素の他にランソウ素という色素をもってるいるため、黄緑色や青紫色に見えます。そのためアオコが発生すると水面に青緑色の塗料をまいたようになります(右写真)。またカビ臭を発生させる種類もいます。



アオコの発生メカニズム
 アオコが成長するには、@水中の窒素やリンなどの栄養塩があること、A高い温度であること、B充分な光、C充分な時間の4つの条件が必要になります。この条件がそろう湖沼などで多く発生します。

 


 空心菜はヒルガオ科サツマイモ属のつる性多年草で、作物としては1年草扱いの熱帯アジア原産の植物です。

 空心菜は燕菜(エンサイ、アサガオ菜)とも呼ばれ茎の中が空洞になっているのが名前の由来です。

 栄養分はほうれん草とほぼ同じですが、カルシウム、ビタミンA・B・Cはほうれん草の2〜5倍程度多く、βカロチン、鉄分、ポリフェノールなども含まれています。

 空心菜は中国やベトナムなどで広く食べられている野菜で、くせが無く様々な料理に使え、特に茎はシャキシャキとした歯ごたえが特徴です。炒め物、天ぷら、味噌汁やお吸い物の具などの料理方法があります。

 

 空心菜は水中に根を張り、細かい毛細根が無数に繁茂します。この繁茂した根が水と一緒に水中の窒素やリンを吸収することで、植物プランクトンの栄養となる湖内の窒素やリンを減少させることから植物プランクトンの増殖を抑えます。
 さらに、水中に繁茂する大きな根が動物プランクトンや魚の卵からなる動物礁を形成し、そこに生息する動物プランクトンが植物プランクトンを餌とするため水質改善に効果があるといわれています。

 

  植え付け作業

 空心菜は恵那農業高校が種から苗を育て、その苗をプラスチックのコンテナケースに移植し栽培します。そのケースは湖上に浮かべたフロートと呼ばれる浮き(約10×10m)の中に設置しています。
 1ケース当たりの栽培苗数や植え込み方法を変えながら生育状況を観察しています。
 

  刈り取り作業

 空心菜の刈り取りは苗の先端から20〜30cm程のところをハサミで切り取ります。切り取った脇の枝からも成長しますので、夏から秋にかけて5回ほど収穫できます。

 


 平成20年は1200株を96個のコンテナーに植え込みました。1ケース当たりの苗数を8本、12本、24本植えに分けて行い、植え込み方法もケースの底に網を張りその上に土を約15cm程入れる方法とポット植の方法に分けて行い、苗数や植え込み方法の違いによる生育の違いを観察することとしています。
 今後はこれらの実験を踏まえ、この実験による効果の確認や、今後の進め方などを検討していきます。また、地域の特産物への発展についても検討していきますのでみなさんの意見などもお寄せ下さい。

 


阿木川ダムの空心菜がテレビ、新聞などで取り上げられました。

★テレビ放映
  ・平成16年高校生の挑戦ダム浄化大作戦(メーテレ)
  ・平成18年阿木川ダム浄化実験(NHK)
★新聞記事(2008)
  ・06.26岐阜(東濃地域 22面)
  ・06.21中日(東濃 16面)
  ・06.29岐阜(東濃地域 24面)
  ・08.09中日(東濃 22面)
  ・08.15岐阜(東濃地域 24面)

 

 

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