三重県北勢地方の鈴鹿山麓から伊勢湾にわたる広大な農業地帯の水田は、地区内の中小河川、ため池などを水源としていましたが、いずれも水量が乏しく、安定して取水できる水源の確保にせまられていました。また、山麓の畑地帯は全く水源をもたず、天水に依存せざるを得ない状況であったため、土地改良事業の実施が強く要望されていました。
 一方、この地方の産業発展に伴い、都市用水の重要が増大し、その充足も緊急の課題となっていました。
 三重用水事業はこれらの要請に対処するため、中里貯水池を主水源とし、岐阜県側の木曽川水系揖斐川支流牧田川から取水するとともに、員弁(いなべ)川・河内谷(こうちだに)川・冷(ひえ)川より取水して貯留します。
 また、宮川・菰野・加佐登の調整池及び幹線水路等の建設により、田光(たびか)川、三滝(みたき)川、内部(うつべ)川及び御幣(おんべ)川から、取水して貯留します。
                 
 これらの施設計画により4市2町(いなべ市、桑名市(旧多度町を含む)、四日市市(旧楠町を含む)、鈴鹿市及び菰野町、東員町)の農地約7,300haに対する農業用水として最大5.99m3/s、三重県企業庁により浄水後、水道用水として四日市市、鈴鹿市、菰野町の各家庭に最大0.668m3/s及び工業用水として最大0.194m3/sの供給を行う総合的な利水事業です。



【 水 利 用 計 画 】                   【 農業用水受益面積 】





1951年(昭和26年)
10月 
農林省が調査開始
1966年(昭和41年)
8月 
三重用水土地改良区設立認可
1971年(昭和46年)
2月 
三重用水事業に関する事業実施方針・指示
 
3月 
三重用水事業に関する事業実施計画・認可
農林省から事業継承し、三重用水建設所発足
三重用水建設所開所   中里ダム工事中
三重用水建設所開所   工事中の中里ダム(モータスクレーパ9m3)
1972年(昭和47年)
3月 
中里ダム着工(昭和52年3月完成)
幹線水路着工
1977年(昭和52年)
1月 
三重用水事業に関する事業実施方針
 (第1回変更)指示
6月 
宮川ダム着工(昭和55年3月完成)
1978年(昭和53年)
3月 
三重用水事業に関する事業実施計画
 (第1回変更)認可
加佐登ダム着工(昭和58年2月完成)
1983年(昭和58年)
1月 
員弁幹線水路着工(昭和61年3月全線完成)
6月 
幹線水路中里ダムから宮川ダム間完成
1984年(昭和59年)
4月 
農業用水暫定通水開始
1986年(昭和61年)
3月 
打上ダム着工(平成元年7月完成)
菰野ダム着工(平成元年10月完成)
4月 
多度工業用水暫定通水開始
1987年(昭和63年)
3月 
幹線水路宮川ダムから弓削分水工まで全線完成
1990年(平成2年)
7月 
三重用水事業に関する事業実施方針
(第2回変更)指示
8月 
三重用水事業に関する事業実施計画
(第2回変更)認可
1991年(平成3年)
4月 
水道用水暫定通水開始
1993年(平成5年)
3月 
三重用水施設に関する施設管理方針指示
三重用水施設に関する施設管理規程認可
1993年(平成5年)
3月 
三重用水施設に関する施設管理規程認可
 
4月 
三重用水管理所発足
2003年(平成15年)
10月 
独立行政法人 水資源機構へ移行
三重用水管理所 ミエイラスト
三重用水管理所