白鳥湖(しらとりこ)

加佐登調整池


 加佐登調整池は、中里貯水池、宮川調整池に次いで3番目に着工されたダムで、三重県北東部の1級河川鈴鹿川水系椎山川のほぼ中流部に位置するゾーン型フィルダム(傾斜コア型)である。この調整池は直接流域のほか、中里貯水池から菰野調整池を経て導水された水も貯留し、下流鈴鹿市の農業用水として最大3.89m3/s、工業用水として最大0.31m3/sを供給する。
 ダムサイトの地質は、砂岩、砂質泥岩及び泥岩よりなる新第3紀層奄芸層群を基盤とし、この上部に第4紀層洪積層の段丘砂礫及び沖積層がほぼ水平に堆積している。
 築堤材料は、ドレーン材及び捨石材を除き、ダム附近で採取し、不透水部は泥岩、半透水部は段丘砂礫を使用して盛立施工した。さらに、貯水池からの浸透を抑止するために左右岸の袖部にはフェーシング工を、またダム上流部にはブランケット工を施工している。ダムは昭和53年3月に着工し、58年2月に竣工した。
 なお、ダム湖の愛称は、すぐ近くにある日本武尊(ヤマトタケル)伝説のある白鳥塚古墳に因み、「白鳥湖(しらとりこ)」と命名された。

加佐登調整池のダムおよび貯水池緒元
ダ ム の 諸 元 河川名 一級河川員鈴鹿川水系椎山川 貯 水 池 の 諸 元 総貯水容量 3,047千m3
所在地 三重県鈴鹿市加佐登町 有効貯水容量 3,000千m3
型式 傾斜コアゾーン型フィルダム 湛水面積 0.34km2
堤高 28.7m 流域面積 6.85km2
堤頂長 310m 設計洪水位 EL.48.70m
堤頂幅 7.0m 常時満水位 EL46.80m
堤体積 375千m3 最低水位 EL.32.00m
堤頂標高 EL.50.70m 補償 家屋5戸、水田17ha、畑10ha、山林17ha
基盤地質 新第3紀鮮新世奄芸層群桜村類層

加佐登調整池断面図 加佐登調整池平面図