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中里ダムは、三重用水の重要水源施設で、鈴鹿山系と養老山系の合流点、三重、岐阜両県境近くに建設された。 ダムは直接流域のほか、員弁川上流の西部流域の員弁川、河内谷川、冷川、さらに岐阜県の牧田川(揖斐川支流)から取水した水を導水して貯留し、受益地域に補給するほか、宮川、菰野、加佐登の各調整池の貯水量に不足が生じた場合に、これらの調整池に補給する。 ダムは堤高46m、堤頂長985m、堤体積2,970千m3、有効貯水容量約1,600万m3の規模をもつ、わが国最大級のゾーン型アースダムである。 基礎の地盤は、第3紀層の砂と泥岩の互層帯で、ダム軸とほぼ直角方向の走向をなし、左岸から右岸に向かって傾斜している。 約296万m3の築堤材料は、ドレーン材料を除き、すべてダム地点周辺で採取した。不透水部には、ダム右岸上流に分布する"米野層"と呼ばれる粘土混じり砂礫材料を使用し、ランダム部には中央土取場の泥岩と砂を使用した。上流法面の捨石工には、養老山系の中古生層の砂岩を使用した。 浸透の抑止方法として、ダム上流部にブランケット工を施工し、工事には近代化された大型の重機械がその偉力を発揮した。 ダム工事は、昭和47年3月に着工し、52年3月に竣工した。 なお、ダム湖の名称は、完成から20年がたっても愛称がなかったことから公募。平成16年(2004年)に鈴鹿山脈と養老山地に囲まれた湖であり、また、鈴鹿山脈から水を引いて下流の人々の生きる「養い」になっていることから「鈴養湖(れいようこ)」と名付けられた。 |
中里ダムのダムおよび貯水池緒元 | ||||||
河川名 | 二級河川員弁川水系大平川・砂子谷川 | 総貯水容量 | 16,400千m3 | |||
所在地 | 三重県いなべ市藤原町大字鼎地内 | 有効貯水容量 | 16,000千m3 | |||
型式 | 傾斜コアゾーン型フィルダム | 湛水面積 | 1.3km2 | |||
堤高 | 46.0m | 流域面積 | 45.3km2(直接4.0km2 間接41.3km2) | |||
堤頂長 | 985.0m | 設計洪水位 | EL.193.54m | |||
堤頂幅 | 10.0m | 常時満水位 | EL.192.00m | |||
堤体積 | 2,970千m3 | 最低水位 | EL.162.00m | |||
堤頂標高 | EL.196.00m | 補償 | 家屋28戸、水田34.6ha、畑2.5ha、山林110.2ha | |||
基盤地質 | 新第3紀鮮新世奄芸層群米野類層・大泉塁層 |
中里貯水池断面図 | 中里貯水池平面図 | |
ダム建設に当たっては、旧深尾地区28戸の方々に移転をしていただきました。 | ||
移転していただいた旧深尾地区集落 |
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