水嶺湖(すいれいこ)



 打上調整池は、牧田川取水工と中里貯水池の間に位置する。その目的は、牧田川から取水した水を最大5m3/s導水貯留し、牧田川沿岸既得用水へ補給するとともに、最大5m3/s、年間1,000万m3を限度とし、中里貯水池に導水するものである。
 ダムは、堤高29.70mのゾーン型フィルダム(傾斜コア型)で、貯水池の有効貯水容量は、220万m3である。
 基礎の地質は、新第3紀大泉累層の砂岩、泥岩等の互層よりなり、ダム軸とほぼ直角方向の走行をなし、右岸から左岸に向かって約15°〜20°傾斜している。また、砂岩層は半透水性の基盤であるため、浸透抑止工として、ダム上流にブランケット工、左右岸の袖部にフェーシング工を施工している。
 築堤材料は、不透水部には米野累層の粘土混り砂礫材料、半透水部には市の原累層の砂礫の多い材料を使用している。工事は近代化された機械施工を主体とし、ダム工事は、昭和61年3月から平成元年7月である。
 なお、ダム湖は、分水嶺を越える分水のための湖ということから、公募により平成2年(1990年)に水嶺湖(すいれいこ)に決定した。

打上調整池ダムおよび貯水池緒元
ダ ム の 諸 元 河川名 一級河川木曽川水系牧田川支川東谷川 貯 水 池 の 諸 元 総貯水容量 2,260千m3
所在地 岐阜県大垣市上石津町打上地内 有効貯水容量 2,200千m3
型式 傾斜コアゾーン型フィルダム 湛水面積 0.26km2
堤高 29.7m 流域面積 1.38km2
堤頂長 140.0m 設計洪水位 EL.214.00m
堤頂幅 8.0m 常時満水位 EL.213.10m
堤体積 357千m3 最低水位 EL.194.00m
堤頂標高 EL.216.20m 補償 水田7.1ha、畑0.2ha、山林21.1ha
基盤地質 新第3紀鮮新世奄芸層群大泉塁層

打上調整池断面図 打上調整池平面図