水がささえる豊かな社会 ~事業のあらまし~ 独立行政法人 水資源機構
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14 動植物、生態系等自然環境の保全を図るため、環境調査、植生回復、振動騒音対策など様々な取組を行っています。また、地域社会の一員として、地域での環境保全活動等へも積極的に参加しています。 川上ダムなどの現在建設中のダムでは、環境調査を踏まえ、重要動物の保全、重要植物の移植、保全対象種の生息環境の復元・整備などに取り組んでいます。 温室効果ガスを排出しない既設の施設管理用水力発電設備や太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用するとともに、電気使用高効率機器の導入を始めとした省エネルギー対策に取り組み、温室効果ガスの排出量削減を推進しています。 生物にとって良好な河川環境を目指し、ダム下流への土砂還元やダムの放流水を一時的に増やすフラッシュ放流等により、河床の石などに付着した泥や藻類等を剥離させ、環境を改善する取組を行っています。  これらの取組により、下久保ダム下流の河岸の植生が、環境省の生態系被害防止外来種リストに掲載され、根から周囲の植物の成長を抑制する成分を出すセイタカアワダチソウから、冠水頻度の高い場所に生育するツルヨシへ遷移するなどの変化が見られています。また、河川内は藻類の剥離・更新が促進されるなど、魚類の生息環境の改善が図られており、ダム下流の国の天然記念物の三波石峡では、流された土砂により三波石が磨かれ、景観の改善が見られています。 ダムや水路などの新築や改築に当たっては、施設が自然や地域の方々の日常生活にしっくり馴染むように、景観に配慮した施設整備を行っています。※CIMの活用:図面を3次元化することで、任意の視点場からの全体イメージや バランスの確認等の景観検討を実施太陽光発電設備(北総東部用水)色彩の調和を考慮した管理棟の設計・施工(小石原川ダム)砂れきの河原が広がっている河岸にはセイタカアワダチソウ等が繁茂し、流水が少ない下久保ダムにおける下流河川の環境改善に係る取組の事例河岸にはツルヨシが優占し、流水が確認できる昭和44年(ダム完成直後)※環境保全の取組は、毎年公表する「環境報告書」に詳しく記載しています。CIMを活用したダム周辺の景観検討(川上ダム)平成9年(管理開始後約30年経過)令和元年河川の切り替えに伴うオオサンショウウオの保護移転(川上ダム) ※個体の情報を確実に記録するため、確認されたオオサンショウウオにはマイクロチップを挿入しています。さん ば せき

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