水がささえる豊かな社会 ~事業のあらまし~ 独立行政法人 水資源機構
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15 小石原川ダムにおいて、近赤外線水分計や画像粒度解析システムを導入し、コア材(粘性土)や岩石を積み上げて造るロックフィルダムのコア材の含水比と粒度の連続監視を行いました。また、転圧時の転圧ローラの軌跡・転圧回数・地盤反力データを面的に管理することで、従来の抽出管理型から全量管理型の品質管理へと、工事に漏れがないよう高度化を図りました。 ※特許出願中(特許名:品質管理システム(鹿島建設㈱と共同出願))コア材の含水比・粒度の管理システム(鹿島建設㈱_特許技術)転圧時の面的な品質管理(イメージ図)鋼製ケーブルを使った工法の適用事例(イメージ図)統合ダム管理システムの実装イメージロックフィルダムにおけるコア材の品質管理システム 水路附帯中小構造物の頂部と水路壁を鋼製ケーブルで連結することで揺れを制御する地震対策工法の検討を富山大学と共同で行いました。通水断面を阻害することなく、施工が可能となるなど、施工性の向上が見込まれています。※特許出願中(特許名:塔状構造物の制震構造(富山大学と共同出願))水路附帯中小構造物の合理的な地震対策工法の検討 近年、平成30年7月西日本豪雨や令和元年台風第19号のように、ダムの計画を超えるような洪水が頻繁に発生しています。水資源機構では、平成30年より京都大学防災研究所及び一般財団法人日本気象協会と共同で、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において「統合ダム管理システム」の研究開発を進めています。その主な内容は、10日以上前からのアンサンブル降雨予測技術に基づく「最適な事前放流手法」と、流域の複数のダムが防災操作を連携し下流域の浸水被害を最小限に抑制する「ダム統合操作技術」です。これにより、ダム管理者の防災操作計画の精度を飛躍的に向上させるとともに、関係機関と十分な調整を図り事前放流を含めた最適なダム操作を可能とすることを目指しています。既存ダムの能力を最大限活用して被害を最小限にする「統合ダム管理システム」の研究開発

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