水がささえる豊かな社会 ~事業のあらまし~ 独立行政法人 水資源機構
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19 令和元年は、全国的に1月から降水量が例年に比べ少ない状態が続き、7水系のうち、豊川水系、木曽川水系、吉野川水系及び筑後川水系で渇水となり、取水制限や自主的な節水が行われるなど渇水への対応が注目された1年でした。 豊川水系では、主水源である宇連ダム及び大島ダムの貯水量が低下したため、水資源機構は関係機関及び利水者と調整を行い、4月12日から6月18日まで最大で15%の節水対策が実施されました。特に、宇連ダムでは5月19日5時に昭和60年1月以来34年ぶりに貯水量がゼロとなったため、天竜川水系佐久間ダムからの導水を行いました。5月の導水は、昭和43年4月の管理開始以降、初めての対応となりました。 筑後川水系では、農業用水の枯渇が懸念されたため、節水の強化などが行われ、水資源機構も関係機関と調整を行い、都市用水からの水融通の実現に寄与しました。 今回の渇水は、稲作の時期と重なりましたが、関係機関と緊密に連携して、きめ細やかな配水調整と水需要量の変化に即応したゲート操作などを行い、被害なく乗り切ることができました。令和元年渇水への対応う れ最近のトピック1最近のトピック2 少子高齢化が進む我が国の成長戦略として、新興国を中心とした世界の旺盛なインフラ需要を取り込むためには、民間事業者の海外展開を促進することが必要となっています。他方、インフラ開発・整備は、相手国政府の影響力が強いことや、インフラ整備等に関する専門的な技術やノウハウは独立行政法人等の公的機関が保有していること等により、民間事業者のみでは十分に対応できない場合があります。 そこで、平成30年8月31日に「海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律」が施行され、独立行政法人等の業務規程において、海外における調査、設計等を行う海外業務が追加されました。 基本方針では、案件形成段階から独立行政法人等の公的機関が積極的に関与し、日本の質の高いインフラを効果的にアピールする等により、我が国事業者が参入しやすい環境づくりを行うとされています。水資源機構においては、水資源開発に関する幅広い知見やノウハウを活かし、海外における水資源開発案件に関するニーズ調査やマスタープラン策定、事業性調査、設計、入札支援・施工監理等の発注者支援、施設管理支援等を通じて、海外の水資源開発事業への我が国事業者の参入促進に努めていきます。我が国事業者の海外の水資源開発事業への参入促進のための取組

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