令和六年度 環境報告書
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②水質保全設備の運用貯水池等において富栄養化が進むと、植物プランクトンが異常増殖し、アオコや淡水赤潮が発生しやすくなり、かび臭の発生や景観障害、浄水場でのろ過障害などの問題が起こることがあります。また、洪水後の濁水長期化や冷水放流による下流河川の環境への影響という問題もあります。水資源機構では、こうした問っ  題を未然に防ぐために、水質の監視のほか、以下に示す曝ば気き循環設備や選択取水設備などの各種水質保全設備の運用を行うとともに、流域からの流入負荷軽減のために関係機関と連携を行い、水質異常の発生抑制に努めています遮光設備分画フェンス副ダム曝気循環設備深層曝気設備バイパス水路選択取水設備水資源機構における水質保全設備の概要植物プランクトンの増殖条件のひとつである日光をフロート等で遮断することで、植物プランクトンの増殖を抑えます。ダム貯水池よりも規模の小さいファームポンドで実施しています。設置施設:北総東部用水、成田用水、東総用水など貯水池表層部の上下流方向を止水性のフェンスで仕切り、アオコ、淡水赤潮、濁水などの拡大防止を図っています。また分画された下流側への栄養塩の流入を軽減し、植物プランクトンの増殖を抑制しています。設置施設:青蓮寺ダム、高山ダムなど貯水池の流入端に設置し、粒子性の栄養塩を沈降させることにより、貯水池への栄養塩の流入を軽減させています。設置施設:阿木川ダム、室生ダム、布目ダムなどファームポンドは、水源から供給されるかんがい用水を一時的に貯留し、水量調節に使用されるため池。貯水池深部に酸素を供給し、溶存酸素(DO)の減少による底泥からの重金属や硫化水素、栄養塩等の溶出を抑えています。設置施設:阿木川ダム、一庫ダム、室生ダム、空気を放出してその浮力で湖水を鉛直循環させることにより、希釈効果や流れの効果などにより、植物プランクトンの増殖を抑えるとともに、冷水放流を軽減しています。設置施設:長柄ダム、草木ダム、浦山ダム、阿木川ダム、布目ダム、比奈知ダム、日吉ダムなど高山ダム、室生ダム、布目ダム、一庫ダム、寺内ダム、大山ダム、山口調整池など流入河川水を直接、ダムの下流へ放流することができ、濁水放流の軽減や放流水温の制御を行います。また、富栄養化が懸念される貯水池では栄養塩を多く含む流入水を貯水池上流から下流にバイパスすることにより、貯水池への栄養塩の流入を軽減しています。設置施設:浦山ダム、川上ダム、大山ダム、阿木川ダムなど貯水池の任意の水深から取水ができます。貯水池の水温や濁度は、水深で異なることが多いため、河川の流入水温に近く濁りが少ない層から取水し、冷水や濁水の放流を軽減しています。また、アオコなど藻類の異常発生時に藻類が少ない下層から取水しています。設置施設:28ダム・調整池に設置栄養塩や濁質の流入アオコ淡水赤潮等栄養塩や濁質の沈降曝気循環による藻類抑制曝気によるDOの改善溶存酸素量DOの減少アオコ淡水赤潮等冷水・濁水の軽減カビ臭物質栄養塩類の溶出等30

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