むかし、都から落ちのびてきた桐畑太夫は、川並に住みつきました。ある日、余呉湖で釣りをしていた太夫は、柳の木の枝によい香りのする珍しい衣を見つけました。すると、美女があらわれ「私の羽衣です。私は天女でそれがないと天に帰れません。返して下さい。」太夫は美しい天女を家に連れていき、羽衣を隠してしまいました。
天に帰れなくなった天女は、太夫の妻となり男の子を産みました。太夫は安心して衣を虫干しに出しましたが、天女はそれをまとって空に飛び立ってしまいました。
二人の子供はその後、菅山寺(かんざんじ)で育てられ、めきめきと知性を伸ばしてきました。これが後の菅原道真公なのです。