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丹生ダム周辺におけるイヌワシ・クマタカの繁殖活動について

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1.調査経緯
 丹生ダムの建設が予定されている地域の周辺には希少猛禽類のイヌワシ、クマタカが生息しています。このことから、丹生ダム建設所では、平成6年より専門家の指導を受けつつ、事業による希少猛禽類への影響を極力低減するために、イヌワシ・クマタカの生息状況を調査しています。

クマタカ
クマタカ(丹生ダム周辺で撮影されたものではありません。)

2.平成18年繁殖期の調査結果
 平成18年の繁殖状況を把握するため、丹生ダム建設事業に関連すると考えられるイヌワシ1つがい、クマタカ7つがいを対象に、調査を実施しました。平成18年繁殖期の調査結果は、以下のとおりです。
@イヌワシについては、巣立ちした幼鳥は確認できませんでした。
Aクマタカについては、餌運び、抱卵等の繁殖行動が観察されたつがいもありましたが、巣立ちした幼鳥は確認できませんでした。

 今までの調査結果を表にまとめました。

丹生ダム周辺のイヌワシ・クマタカの繁殖状況
(平成18年10月までの調査結果より)
調査年 調査年
以 前
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目 11年目 12年目
種・
つがい名
H4
〜5
H5
〜6
H6
〜7
H7
〜8
H8
〜9
H9
〜10
H10
〜11
H11
〜12
H12
〜13
H13
〜14
H14
〜15
H15
〜16
H16
〜17
H17
〜18
イヌ
ワシ
× × × × × × × × × ×



× × × ×
× × × × ×
× × × × × × ×
× × × × × × × ×
× × ×
(◎) × × × ×
× × × × × × × ×
(凡例)
 ◎ :繁殖成功(巣立ち後の幼鳥または若鳥を確認)
 ○ :抱卵もしくは雛を確認。途中で中断し巣立ちは確認できなかった
 × :抱卵、雛および巣立ち後の幼鳥の確認はできなかった
 なお、本地域は多雪地帯であり、イヌワシや一部のクマタカのつがいについては、積雪時の調査を行っていない。このため、これらのつがいについては、抱卵等の詳しい繁殖状況は得られていない。
 − :調査対象外
(◎):繁殖成功と推定。
 当該行動圏内で幼鳥と推定される個体や巣立ち後2年目の若鳥(行動や観察状況から当該つがいの若鳥の可能性が極めて高い)を確認しているが、確実な幼鳥の確認記録がないことから推定とした。
注)平成4〜6年のイヌワシの繁殖状況については、平成6年11月以降に確認された幼鳥および若鳥の記録から繁殖成功とした。

 なお、丹生ダム建設所では、工事の実施に伴う、イヌワシ・クマタカへの影響を極力低減するために、調査結果を基に専門家の指導・助言を受けながら、工事の一部を一時休止するなどの対策を行うとともに、騒音・振動の抑制に努めるなどの慎重な対応を行っています。

3.今後の調査について
 今後も、継続してイヌワシ・クマタカの生息・繁殖状況を把握するための調査を行うとともに、丹生ダム建設事業によるイヌワシ・クマタカへの影響を極力低減するために、適切な保全対策について専門家の指導・助言を受けながら検討し、実施します。