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奈良俣ダムは、利根川支川楢俣川に建設された多目的ダムで、堤頂高158mのロックフィルダムです。同時に楢俣川に隣接した湯ノ小屋沢川の水をダム貯水池に導くために、取水堰と導水トンネルを設けています。
昭和49年4月に調査所を開設し、昭和56年1月に本体発注を行い、厳しい気象条件を克服しつつ工事は進められ、平成3年に完成しました。 |
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台風や大雨のときに、ダムに水を貯めて下流の洪水の被害を少なくします。利根川本川は、利根川上流のダムで協力して防災操作を行っています。奈良俣ダムでは、100年に1回の確率で起こる大洪水を想定し、1秒間370もの水がダムに流れ込んでも、337を一時的にダムへ貯めることにより、下流の被害を減らすように計画されています。そのため、台風の多い夏期はダムの水を満水より5.6m低くし、水を貯める準備をしています。
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【河川の流水の正常な機能の維持】 |
年間をとおして安定した川の流れを保つために水の少ないときに、ダムに貯めた水を流しています。利根川は、利根川ダム統合管理所が上流ダム群(矢木沢ダム・奈良俣ダム・藤原ダム等)を統合管理して安定した水の供給を行っています。 |
【新規利水】 |
雪解け水や雨などにより川の水が多い時にダムに貯めた水を水道用水等に利用しています。この水はダムを造ることにより確保した水であり、専門用語では利水容量といいます。各都県への新規利水の供給内容は次の表やグラフのとおりになっています。
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用水供給一覧表
凡例 |
用水名 |
都県名 |
用水供給量
(単位:m3/s) |
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農業用水 |
千葉県 |
0.69 |
小計 |
0.69 |
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水道用水 |
群馬県 |
2.435 |
茨城県 |
0.179 |
埼玉県 |
0.951 |
千葉県 |
2.41 |
東京都 |
2.07 |
小計 |
8.045 |
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工業用水 |
群馬県 |
0.65 |
小計 |
0.65 |
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合計 |
9.385 |
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用水供給グラフ
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【発電】 |
ダムから放流する水の力を利用して水力発電を行っています。エネルギーの有効活用により、環境にやさしい電気を作っています。(群馬県企業局が奈良俣ダムの放流を利用した発電を行っています) |