下久保ダムは「主ダム」と「補助ダム」と呼ぶ2つのダムがくっついている形をしています。
放流するための穴が空いているダムが「主ダム」で、もう一つの低いダムが「補助ダム」です。
もとの川をせき止めて普通の形のダムを造っても高さ56mのダムしかできず、1200万立方メートルくらいしか水を貯めることができません。(図1)
しかし、ダムの右岸(埼玉県側)にある尾根をコンクリートで嵩上げし、L字型のダムを造ると、
1億3000万立方メートルもの水を貯めることができる(図2)と考えたのです。
この尾根を嵩上げしたところを「補助ダム」と呼んでいます。当時の東京は、「東京砂漠」と言われるほど水に困っていて、少しでも多くの水を貯めるための工夫が必要だったのです。 |