河口堰の役割

「治水(ちすい)」

 長良川河口堰の設置によって、塩水のそ上を防止することにより、大規模なしゅんせつを可能にし、長良川の洪水(計画高水流量 毎秒7500立方メートル)を安全に流下させます。

長良川の洪水等の防御と塩水の侵入防止

 長良川は、ダムを造る適地が少ないことから、大洪水が来ても水を低く流せるよう川底を掘り下げ、水害が起きにくくすることにしました。

 一方、長良川の川底を掘り下げると、洪水は安全に流せるかわりに塩水が今までよりも上流にさかのぼってきます。そして、長良川から取っている水に塩分が混じったり、周辺の田畑にも塩分が入り、稲や野菜に悪い影響をあたえることになります。

 長良川河口堰は、このような悪い影響が出ないよう、ふだんはゲートを降ろし塩水のさかのぼりを止め、洪水のときには堤防より上にゲートを上げて洪水を安全に流します。

木曽三川(きそさんせん)の洪水と治水の歴史

 古くから、洪水に悩まされていた木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)流域では、分流工事や堤防強化、さらにダム建設などの治水工事がなされてきました。木曽三川改修の歴史は、洪水との戦いの歴史でもあります。

「利水(りすい)」

 堰の上流が淡水化され、愛知県・三重県・名古屋市で、水道用水や工業用水に最大 毎秒22.5立方メートルの水が利用できるようになります。

水の利用

 長良川河口堰が完成したことにより、海水(塩分)の進入がせき止められて、堰の上流では真水が得られるようになります。長良川河口ぜきは貴重な水を生み出すことができ、中部圏に水道用水、工業用水を安定的に供給します。

「長良川河口堰の管理状況について」

 長良川河口堰の役割ならびに、運用開始から20年を迎えた管理状況等について取りまとめた資料が中部地方整備局のホームページに掲載されていますのでご覧下さい。

  • 概要

    中部地方整備局 「平成27年9月関東・東北豪雨を受けての中部地整における避難を促す緊急行動の取り組み」内の「3 長良川河口堰について」
  • 詳細

    中部地方整備局 「中部地方ダム等管理フォローアップ委員会」内の「長良川河口堰について」