高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成22年3月24日号
3月も半ばを過ぎて、全国各地からは、桜の開花を知らせる便りも届き始めています。
高時川はと言ぃますと、相変わらずの状況です。 暖かい日が続くと水量と濁りが増えて、肌寒いかなぁといぅ状況になると水量も濁りも減って…、瀬切れこそないものの、一頃の澄みきった凛とした流れにはほど遠い流況が続いています。 3月初めと比べると、水量も濁りも落ち着いてきてはいますが、しばらくはこんな状態が続くんでしょう。
とは言え、高時川堤防にも菜の花やタンポポが見られるようになってきました。 湖北の春も、もぅそこまで来てるみたいです。
平成22年3月15日(月)の状況
平成22年3月23日(火)の状況
河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。
【3月10日】 高時川上流域の巡視に行って、ザゼンソウに出会いました(写真-1)。図鑑等で見慣れた、お坊さんが座禅をしているよぅな姿ではありませんでしたが、残雪に囲まれた湿地で春待つ姿に、自然のもつ静かな力強さを感じました。
【3月18日】 高時川の濁りが治まらないので、上流域へ巡視に行きました。暖かい日も続いたので、残雪もかなり少なくなったかな? なんて期待して行きましたが、まだ残ってました(写真-2)。国土交通省の観測によると、94cmほどの積雪といぅことでした。
【3月23日】 冷たい春の雨のなか、河川巡視に行きました。今村橋の上に立ち「姉川の方が穏やかで澄んだ流れだなぁ」と思いながら、ふと顔を上げると、正面に伊吹山が見えていました(写真-3)。木立の間から湧き立つ霧と山肌を撫でるように流れる白い雲、外国映画のオープニングを見ているよぅでした。

写真-1 ザゼンソウ (余呉町中河内 H22.3.10)
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写真-2 残雪90cm (余呉町中河内 H22.3.18)
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写真-3 伊吹山 (長浜市今町より望む H22.3.23)
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高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成22年の結果は速報です。