高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成22年6月14日号


 6月も折返し点を迎えて、よぅやく近畿地方も梅雨入りが発表されました。平年に比べて7日、昨年に比べて10日遅かったそぅです。
 今月3日の瀬切れ確認から早10日余り、高時川の瀬切れ範囲も、高月町辺りまで広がってきています。下流域では、かろうじて残っている水溜まりの周辺にアユやウグイの死骸が多く見られるようになってきています。
 今日も雨は降りましたが、勢いもなく、アスファルト路面の色を濃くした程度で、思わず「打ち水かぃ!」ってツッコミを入れたくなりました。田んぼの水も心配です。梅雨入りしたばかりとは言え、災害にならない程度のまとまった雨を期待しましょう。
 何ならヤリます? 雨乞い!
 平成22年6月9日(水)の状況
阿弥陀橋上流
瀬切れ
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
瀬切れ
びわヤナ

 平成22年6月14日(月)の状況
阿弥陀橋上流
瀬切れ
阿弥陀橋上流
福橋上流
瀬切れ
福橋上流
びわヤナ
瀬切れ
びわヤナ

 ダムダムくん  定点写真撮影場所  ニューちゃん
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
 河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。

【6月9日】 高時川上流域の巡視に行きました。ダムサイトの少し手前で車を止めて、緑したたる渓谷美にカメラを向けていると、高時川の対岸からこちらを凝視する黒い影…、ツキノワグマでした(写真-1)。子熊にしては大きいですが、成獣にしては小型のよぅに見えました。登山などを考えている方は、十分注意して下さい。死んだフリをすれば…なんてイソップ寓話の中だけですよ。
 河川巡視の途中、お散歩中の園児ご一行様に出会いました(写真-2)。田植えの終わった田んぼの脇道を、先生の持つ手綱(?)に引かれて歩いていました。列の最後の園児2・3人は、急かす先生の声も聞かず、田んぼの中に見入っていました。・・・きっと、何かいぃモノ見つけたんでしょうね。
【6月14日】 瀬切れて久しい高時川、びわヤナ下流の水溜まりに、生き残っているアユが群れをなしていました。よく見ると、一匹のアユが水中で逆立ちを!? 何のことはない、お食事中でした(写真-3:シャッターの瞬間に身体をひねりヤがった!)。アユが川底の石についたコケをエサにしているのは知ってましたが、食んでるところは始めて見ました。健気な姿を見るにつけ、早く瀬切れの解消することを願うばかりです。
ツキノワグマ
写真-1 ツキノワグマ
(余呉町菅並 H22.6.9)
園児のお散歩
写真-2 園児のお散歩
(長浜市大井町 H22.6.9)
コケはむアユ
写真-3 コケはむアユ
(長浜市落合町 H22.6.14)
 高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
 また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
高時川瀬切れ発生状況
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成22年の結果は速報です。

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