高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成22年11月2日号


 あっといぅ間に11月、冬の気配をひしひしと感じるころとなりました。皆さん、風邪などお召しになっていませんか。
 穏やかに、でも水量を徐々に減らしながら流れていた高時川は、10月下旬に数日間の瀬切れを確認してました。本格的なビワマスの遡上を目前にして「ありゃまぁ」といった感じでしたが、週末の雨で潤いを取り戻して、事なきを得ています。
 10月25日の河川巡視では、川の濁りもあって、ビワマスはおろか、何の魚影も確認できませんでしたが、11月1日の巡視では、姉川(長浜市曽根町)でビワマスのジャンプを確認しました。数分に一匹ほどのペースですが、台風14号の降雨で濁った流れに逆らって、力強くジャンプして、堰から上流へ上ってました(またしても写真を撮れず…)。「これなら!」と期待して、姉川河口へと巡視を進めましたが、その後は1匹も発見出来ませんでした。もぅ少し水量が減って水も澄んでくれば、遡上も本格化するでしょうから、それを期待しましょう。
 今度のお休みあたり、自然の力強さを感じに、川に足を運んでみませんか。
 平成22年10月25日(月)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
びわヤナ

 平成22年11月1日(月)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
びわヤナ

 ダムダムくん  定点写真撮影場所  ニューちゃん
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
 河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。

【10月25日】 今シーズン初めて、コハクチョウに出会いました(写真-1)。湖北町延勝寺沖の琵琶湖で穏やかな波に揺られている姿は、長旅の疲れを癒しているよぅにも見えました。
 湖岸近くに目を移すと、カイツブリの親子連れがお昼ご飯の最中でした(写真-2)。親鳥が水中に潜って捕ってきた魚(コアユかな?)を傍らで待つヒナ鳥に与えてました(ヒナ鳥の口元に浮いているのが親鳥の与えた魚ですが、見づらいですねぇ)。
 晩秋を迎えて、コハクチョウにカイツブリ、少しづつ湖面がにぎやかになってきてます。
【10月27日】 観測計器のメンテナンスに高時川上流域へ行きました。川沿い旧集落の跡地では、見事なススキの草原が出来上がってました(写真-3)。周辺の木々の色づきはまだまだのよぅですが、赤や黄色に色づいた木々と白いススキ、これまた見事な景観を見せてくれることでしょう。
コハクチョウ
写真-1 コハクチョウ
(湖北町海老江沖 H22.10.25)
カイツブリ
写真-2 カイツブリの親子
(湖北町海老江沖 H22.10.25)
ススキ
写真-3 ススキ
(余呉町中河内 H22.10.27)
 高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
 また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
高時川瀬切れ発生状況
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成22年の結果は速報です。

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