高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成23年3月24日号
3月も残すところあと一週間余り、平成22年度も大詰めとなりました。
高時川は、雪解けが進んでいるのでしょう、茶色く濁った力強い流れとなっています。もぅすぐ4月、水量はともかく、サクラの時期までには「春先」のティファニーブルーに戻ってほしぃ気がしますが、どぅなるんでしょうか。姉川合流後の河口付近では、たくさんのサギやカモメなどが戻ってきて、上空を旋回していたかと思うと河川に突っ込む姿が見られました。濁った流れに春の訪れを感じ取った魚が、川に戻って来つつあるのかも知れません。
忌まわしい東北関東大震災は、発生から13日が経ちました。水資源機構の管理する施設でも、茨城県にある施設を中心に甚大な被害を被っており、現在、組織を上げて復旧作業に取り組んでします。津波被害とライフラインの途絶、今回の大震災では、改めて水の恐ろしさと大切さを痛感しました。被災地の皆さまには心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
平成23年3月15日(火)の状況
平成23年3月23日(水)の状況
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。
【3月23日】 久々の柔らかな陽差しを浴びながらの河川巡視の途中、高時川の堤防で、フキノトウを発見しました(写真-1)。3月に入って以降、注意して見ていたのですが、やっと出会いました。芽吹いて時間が経っているのか、少し大きく成長していましたが、また一つ春の訪れを感じました。
姉川を渡る今村橋たもとの植込みで、パンジーが色鮮やかに咲き揃っていました(写真-2)。奥に見えるプレートには「持ち帰った花がどんなにきれいに咲いても、あなたの心はいやされません」とありましたが、「そんな心ない人がいるのか」と少し哀しくなりました。
高時川に架かる国道8号線の馬渡橋のたもとに、新しく水防看板が設置されていました(写真-3)。“洪水時に地域が注視している箇所情報”として設置されたものですが、洪水時の河川の水位と水防活動や避難勧告・避難指示の関係が示されています。この看板がひとりでも多くの方に理解され、安全に利用できる高時川になればいぃなぁと思いました。

写真-1 フキノトウ (高月町尾山 H23.3.23)
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写真-2 パンジー (長浜市今町 H23.3.23)
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写真-3 水防看板 (湖北町小今 H23.3.23)
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高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成23年の結果は速報です。