高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成23年4月6日号
4月に入り、新たな年度がスタートしました。新芽、新緑、新入生、やっぱり春はいぃですね。
高時川は、雪解けの進み方が落ち着いてきたのか、「春先」のティファニーブルーの流れに戻ってきています。水量も、日々僅かな増減を繰り返しながらも、シッカリとした流れを保っています。姉川河口付近に集まるサギやカモメなどの数も、多くなってきてますので、魚たちの春の遡上も本格化しつつあるのかも知れません。
高時川の堤防にも、たくさんの桜が植えられています。春の陽気に誘われて、高時川が薄紅色に縁取られるのも、もぅすぐかも知れませんね。
平成23年3月29日(火)の状況
平成23年4月5日(火)の状況
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。
【3月29日】 高時川沿いの畑に、何やらたくさんの人が集まっていました。立ち寄ってみると、湖北福祉ステーション裏の畑で、長ネギの収穫をされてました(写真-1)。近くのドームには『がんばれ東日本 救援物資』と書かれた横断幕も張られていて、太く大きく育った長ネギが大量に箱詰めされてました。「少しでも」「出来ることから」といぅ地域の皆さんの思いが伝わってきて、「人の優しさって計り知れんなぁ」って思いました(※後日新聞報道もされてました)。
何だか柔らかい気持ちになって河川巡視を続けていると、堤防上の道路脇に、黄色い水仙が咲き並んでました(写真-2)。白い水仙は見慣れているんですが、ここまで黄色いのは見たことあるよぅな、ないよぅな…。春の訪れを喜ぶよぅに、堤防上を流れる春風に、可憐な花を揺らしてました。
【4月5日】 4月に入り、益々もって穏やかな陽気が続いています。高時川堤防の桜の蕾も、ほのかに赤みが差してきてました(写真-3)。記録的豪雪となったこの冬、昨年に較べると遅い開花のよぅですが、蕾は柔らかくほころびかけているよぅでしたので、高時川沿いが薄紅色に染まるのも、もぅすぐのことでしょうね。

写真-1 長ネギの収穫 (湖北町速水 H23.3.29)
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写真-2 黄色い水仙 (湖北町速水 H23.3.29)
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写真-3 桜の蕾 (高月町馬上 H23.4.5)
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高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成23年の結果は速報です。