高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成23年6月7日号
あっといぅ間に6月となりました。早めの梅雨入りの原因ともなった台風2号は、途中で温帯低気圧に変わりつつ、それなりの降雨もありましたが、湖北地方には大きな被害も出さずに去っていきました。とは言え、福井県など記録的大雨となった地域もあったそうで、被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
田植えもほぼ終わった感のあるこ今日この頃、高時川は、瀬切れることなく6月を迎えました。振り返ると、5月中に瀬切れを確認しなかったのは、平成18年以来となります。5月下旬には「もしかして」と思わせるよぅな心細い流れとなりつつありましたが、台風2号の降雨も手伝って、濁りつつも潤いを保ちました。
台風一過から約一週間経過した現在、まだ幾分水量は多いものの、澄んだ流れを取り戻しています。川に架かる橋の上からも、流れの弱いところを群れをなして上るコアユの姿が確認出来ますので、一日でも長く、潤いを保ち続けて欲しいものだと思います。
平成23年5月31日(火)の状況
平成23年6月7日(火)の状況
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。
【5月31日】 台風一過の梅雨晴れの午後、高時川の河川敷で、ゲートボール大会が行われてました(写真-1)。地元企業主催の大会のよぅでしたが、整備された河川敷のグラウンドを目一杯使って、たくさんの方々が楽しまれてました。それにしても、台風に当たらなくてよかったですね。
【6月7日】 6月に入り、コアユの遡上が新聞報道されていますが、本日やっと出会えました。川幅一杯に張られたヤナに向かってジャンプするコアユもいましたが、流れの弱いところを上って、ヤナのところで群れているのもいました(写真-2)。
そぅこぅするうち、ヤナで捕まえたコアユを、出荷に向けて生け簀に移す作業が始まりましたが、その移し方にビックリ! 何とポンプで吸い上げて、生け簀につなげたホースの中を通して行っていました(写真-3)。ホースの水は写真右側から左側に流れていますが、ホースの中にあってなお、コアユたちは流れに逆らって泳いでいました。ヤバぃと思って逃げ出そぅとしているのか、それとも・・・? いやいや、野生の本能でしょうね。

写真-1 ゲートボール大会 (高月町馬上 H23.5.31)
|

写真-2 コアユの群れ (びわヤナ:長浜市落合町 H23.6.7)
|

写真-3 コアユ回収! (びわヤナ H23.6.7)
|
高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成23年の結果は速報です。