高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成23年6月22日号


 6月も半ば、梅雨真っ盛りと言ぃたいところですが、グズつきながらも大した降雨となっていないのも、これまた事実の今日この頃、皆さま如何お過ごしでしょうか。
 流れを一変させるほどの降雨のない高時川は、流れは澄んでいるものの、徐々に水量も減ってきていて、いつ瀬切れてもおかしくない状況となってきています。このまま「6月中は瀬切れませんでした」となれば、平成12年以来のこととなりますが、果たしてどぅなりますやら…。
 流れが心細いので、水辺の自然の営みがよく見えます。群れたコアユにコアユを追い回すハス、産卵期を迎えたニゴイや上空から魚を狙う水鳥たち。にぎやかな生き物たちを見るにつけ、瀬切れず、一日でも長く、潤いを保っていて欲しいものだと思いました。
 平成23年6月14日(火)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
びわヤナ

 平成23年6月21日(火)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
びわヤナ

 ダムダムくん  定点写真撮影場所  ニューちゃん
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
 河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。

【6月14日】 川面を渡る風も心地よい梅雨晴れの午後、週末のちょっとした降雨で幾分水量の増えた高時川で、コアユの遡上ラッシュに出会いました(写真-1)。コアユとは言え、ヤナ直下の白く泡立つ渕から次々とジャンプする姿は力強く、まるで、潜水艦から発射された迎撃ミサイルのよぅでした(ちょっと不適切な感想か?)。
【6月21日】 初夏の陽気のような梅雨晴れの午後、姉川河川敷で、タマネギの収穫が行われていました(写真-2)。野寺橋のたもとでトラックに積み込まれたモノも見ましたが、いわゆるジャンボタマネギってヤツでしょうか? 大きなタマネギでした。もぅそんな季節なんですねぇ。
 姉川の河口付近、姉川大橋のたもとで、黒く大きな魚影を発見、ニゴイさんでした(写真-3)。緩やかな流れの中、何をしてるのかなぁと思って見ていると、時折ですが、魚体を川底にこすりつけるよぅな動きを繰り返してました。どぅやら産卵行動のよぅですね。そぅいえば、秋季のビワマスも同じよぅな動きをしてましたね。
コアユの遡上
写真-1 コアユの遡上
(びわヤナ H23.6.14)
タマネギの収穫
写真-2 タマネギの収穫
(長浜市野寺町 H23.6.21)
ニゴイの産卵行動
写真-3 ニゴイの産卵行動
(長浜市南浜町 H23.6.21)
 高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
 また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
高時川瀬切れ発生状況
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成23年の結果は速報です。

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