高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成23年9月7日号


 嬉しぃハズの実りの秋は、忌まわしい台風12号の襲来とともに幕を開けました。
 8月26日に瀬切れ直した高時川は、台風12号の降雨により、流れを取り戻しています。9月4日(日)には、高水敷の耕作地が冠水するほどの濁流となりましたが、本日には濁りは残るものの春の雪解け程度まで水量も減ってきて、びわヤナでは、流れに逆らって遡上するコアユの群れも確認出来ました。「出水後なのでいるかなぁ」と密かに期待したのが「ビワマス」ですが、時期的に少し早いのか出会えませんでした。今後の楽しみとしてとっておくことにしましょう。
 圧倒的な破壊力で日本各地に甚大な被害をもたらした台風12号では、3月の震災とは違った形で、水の恐ろしさと大切さを痛感させられました。被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を祈念いたします。
 平成23年8月29日(月)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
瀬切れ
びわヤナ

 平成23年9月7日(水)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
びわヤナ

 ダムダムくん  定点写真撮影場所  ニューちゃん
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
 河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。

【9月4日】 台風12号の大雨により、姉川・高時川も洪水となりました。この大雨により、国友橋(姉川 写真-1)では、14:19に「避難判断」水位を超える河川水位(滋賀県観測)となっています。また、姉川・高時川合流点にあたる難波橋(写真-2)では、11:59に「避難判断」水位を超える河川水位(滋賀県観測)となっています。落合橋地点では、洪水のピークを過ぎた夕刻にあってなお、秋にはコスモス迷路の登場する左岸側の高水敷が冠水しており(写真-3)、ピーク時には姉川と水面が繋がっていたかも知れません。阿弥陀橋辺り(写真-4)では、高水敷の冠水はなかったよぅですが、それでも低水路一杯の濁流となっていました。
【9月7日】 阿弥陀橋左岸の柿の木が、実をつけていました(写真-5)。渋いヤツか甘いヤツか、よく分かりませんが、「もぅそんな季節かぁ」って思っちゃいました。
 台風一過の晴天の下、あちこちの田んぼで稲刈りが行われていました(写真-6)。田んぼによっては、台風に稲が倒されてしまっていて、止まっているのか?といった速度でコンバインが動いていました。収穫間際だっただけに、何とも恨めしい台風12号でした。米不足にならない程度には収穫出来ていることを祈るばかりです。
国友橋上流
写真-1 国友橋上流(姉川)
(長浜市国友町 H23.9.4 12:38)
難波橋上流
写真-2 難波橋上流
(長浜市難波町 H23.9.4 16:24)
落合橋下流
写真-3 落合橋下流
(長浜市落合町 H23.9.4 16:31)
阿弥陀橋上流
写真-4 阿弥陀橋上流
(高月町馬上 H23.9.4 17:12)
柿
写真-5 柿
(高月町馬上 H23.9.7)
稲刈り
写真-6 稲刈り
(長浜市錦織町 H23.9.7)
 高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
 また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
高時川瀬切れ発生状況
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成23年の結果は速報です。

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