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水と川とダムのおはなし 水と川とダムのおはなし 水と川とダムのおはなし
下久保ダムの情報 > キッズコーナー入口 水と川とダムのおはなし【5/7ページ】

川の水を減らしたいとき
地図
やませみくん やませみくん
ダム湖
首都圏の治水・利水を
になう下久保ダム
忘れないで
 
カスリーン台風
(写真集「カスリーン台風」
表紙から:埼玉新聞社提供)

昭和22年9月、カスリーン台風がもたらした豪雨による増水で、利根川の堤防が決壊しました。写真は、利根川に架かる東武日光線上空から見た栗橋町と大利根町の惨状です。利根川は、この写真の上流(右方向)1kmで決壊し、瞬く間に周辺地域の大半を水没させ、やがて濁流は首都東京へも達し、家屋流出・半壊30,000戸以上、死傷者は3,500名を越える大惨事となりました。
二度とこうした災害が起きないように、堤防を補強・改良したり、上流のダムで洪水を一時的にせき止めたりするなど、多くの努力によって首都圏の安全は守られています。

 

 
昭和30年代後半から40年代にかけて、高度経済成長に伴う首都圏への産業と人口の集中、下水道の普及等により、東京都の配水量は毎年日量20〜30万立方メートル増加しました。
昭和32年には明治23年以来の水道条例に代って水道法が施行され、給水の清浄、豊富、低廉を確保することが規定されましたが、逆に、この時代から水道経営は、需要の増大、水源開発の遅れ、水質汚染への対応、財政の悪化と苦しい時代を迎えました。
昭和33年からは、水源の不足に加えて、毎年のように渇水が起り、昭和36年からは多摩川の長期渇水が続き、そのピークは「東京砂漠」といわれた東京オリンピックが開催された昭和39年でした。
水源を多摩川に依存していた東京都では、この年、1年間に亘る大渇水(オリンピック渇水)を経験しました。節水率は50%にも及んだため、プールや水洗便所は使用禁止となり、水を大量に使う理髪店やそば屋、寿司屋、肉屋も次々と休業になりました。昼間にも断水があったため、各家庭では洗濯や炊事にも困り、会社を休んで給水車待ち、水運びによる過労、流産、水疎開、水ドロボウ・ケンカが起きるなど、市民生活に多大な影響が出ました。
激増する首都圏の人口を支えるため、新たな水源を利根川に求めることになりました。利根川上流にダムを造り水を貯え、武蔵水路の開削により利根川の水が、東京や埼玉へ運ばれるようになると、渇水による市民への深刻な影響は格段に少なくなりました。

給水車
(給水車に行列を作る市民:
東京都水道歴史館提供)

 

下久保ダムの役割
下久保ダムの役割 下久保ダムの役割 下久保ダムの役割 下久保ダムの役割
安定して水が利用できるようダムに水を貯えて、みんなの暮らしに必要なだけ、安全に供給します。 台風などで降る大雨をダムに貯めることによって、一度にたくさんの水が流れるのを防ぎます。 ダムから流す水の量を調整し、川やその周りに生息する生き物などを護り、川の役割を損なわないよう、一年を通して安定した水量を保ちます。 ダムから放流する水を利用して電気を生み出し、みんなの家に送られます。
水争い
「水争い」とは、水不足の時に少ない川の水を巡って農業用水を奪い合う争いのことです。特に新田の開墾が進んだ江戸時代からは、全国各地で見られるようになりました。

江戸時代の神流川には8つの農業用取水堰があり、川の上流からそれぞれ「九郷用水堀口分」「牛田堰」「安保堰」「肥土村用水」「根岸堰」「戸塚堰」「五明堰」「勅使河原堰」と呼ばれていました。

川の上流にある取水堰が川の水を全て取ってしまっては、その下流に水が行き渡らないので、江戸幕府の裁許や明治時代の話し合いにより、用水の配分がそれぞれ決められていました。

神流川八堰図
神流川八堰図(埼玉県立文書館 目で見る
埼玉の開発  より)
しかし渇水になると、他の堰よりも少しでも多く自分の水田に水を引こうと、勝手に新たな堀を造ったり広げたり、時には岩盤に穴を空けたりする人がでて、「水争い」が起こりました。

「我田引水」ということわざは、こうした「水争い」を語源としています。さらに、神流川は上野国(群馬県)と武蔵国(埼玉県)の境を流れていることも、問題をより複雑にしていました。

この「水争い」は神流川の水瓶である下久保ダムが完成する昭和44年まで続きました。雨が降らない日が続いても、下久保ダムに貯えておいた水を流すことによって、神流川の水量が安定するようになり、神流川からは「水争い」がなくなったのです。



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【独立行政法人水資源機構 下久保ダム管理所】
〒367-0313 埼玉県児玉郡神川町大字矢納1356-3
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