三ダム総合運用

 小石原川ダムが完成する以前の2ダム(江川ダム、寺内ダム)時点から、2ダムに共通する農業用水や都市用水(瀬ノ下向け)は、両ダムがあいまって開発し、小石原川と佐田川を繋ぐ『寺内導水路』を利用して効率的に補給してきました。
 佐田川にある寺内ダムは、小石原川にある江川ダムに比べて容量が小さいものの、流域面積が大きいという特徴があるため、寺内ダムは江川ダムに比べると満水になりやすい傾向がありました。結果として、年間約5,200万立方メートルもの水が利用されずに流下していました。


 小石原川ダムと新たに建設した木和田導水路を加え、3つのダム(江川ダム・寺内ダム・小石原川ダム)を1つの貯水池として運用する『三ダム総合運用』により、江川・寺内ダムでは活用しきれなかった水(無効放流)を活用することとしました。

 河川の流況と各ダムの貯水量に応じ、3つのダムと2つの導水路を効率よく使って貯留・補給をしています。利水補給では、各ダムの目的に縛られず三ダム総合運用の優先順位に従って行っており、原則として、流域面積が広く流入が多い(=貯水量が回復しやすい)寺内ダムを優先使用することとしています。

 なお、木和田導水路を用いた導水は、木和田地点の流量が毎秒0.4立方メートルを超え、かつ、江川ダムに空き容量がある場合にのみ行うこととしています。 これにより、取水地点から寺内ダムまでの水利用や河川環境も守られると考えています。