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よくあるご質問
 

 このページでは、川上ダム建設事業に関して、これまでに寄せられた主なご質問にお答えする形で、いくつかの項目について記載しています。

問1 川上ダムの目的は何ですか? 



 川上ダムは、
  @ 伊賀市上野地区などの浸水被害軽減
  A 伊賀市への水道用水の供給
  B 流水の正常な機能の維持(既設ダムの堆砂除去のための代替補給を含む)
の3つの目的を持っています。

 詳しくは、当ホームページ「川上ダムの目的」に掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。

 
 
問2 川上ダムはどこに造られるのですか? 



 川上ダムは淀川水系木津川支川の前深瀬川、三重県伊賀市青山羽根地先(左岸)、阿保地先(右岸)に建設されます。

 詳しくは、当ホームページ「川上ダムの位置」に掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。

 
 
問3 川上ダムは、流域面積が小さく、ダムの治水効果は限定的ではありませんか? 



 伊賀市の上野地区は、木津川、服部川及び柘植川の三川が合流しており、合流点からすぐ下流には岩倉峡という狭窄部があります。このような地形の特徴を有しているため、洪水時には、過去から幾度となく大きな浸水被害を受けてきました。
 このため、上野遊水地と川上ダムを完成させるとともに、木津川、服部川及び柘植川の河道掘削等の河川改修を併せて実施することによって、上野地区の浸水被害の軽減を図ることとしています。
 また、川上ダムは、下流の木津川や淀川においても洪水の流量を低減する効果があります。

参考:木津川流域は淀川流域の19.4%を占め、川上ダムの集水面積54.7km2はその約4%を占めています。

 
問4 洪水時にダムから放流するので、川上ダムによって洪水被害が拡大するのではありませんか?



 
川上ダムがなければ、上流から流れてきた洪水は、水量が減ることなくそのまま下流に流れていってしまいます。
 しかし、川上ダムでは洪水を調節するための容量(洪水調節容量)を持っているため、洪水時には上流から流れてきた洪水を一時的に貯め込み、下流に流す量を減らす操作を行うことができ、下流河川の洪水の被害を軽減します。また、洪水調節によりダムに貯めた水は、洪水後に安全を確保しながら放流することとなります。
 したがって、川上ダムがあることによって洪水被害が拡大するということはありません。


                        洪水時のダムの役割
               −ダムは洪水を貯め込んで下流へ流れていく水を減らす−

問5 大洪水の時には、ダムにより洪水被害が拡大するのではありませんか? 



 
ダムは、洪水調節容量を活用して、上流から流れてくる洪水を一時的に貯め込み、下流の河川に流れる洪水の量を少なくする効果があります。
 計画の規模を超えるような大きな洪水の場合でも、洪水調節容量に貯めている間は、住民の皆さんが避難するための時間を確保する効果もあります。
 ダムで洪水を可能な限り貯め込んだ後も、上流から流れてくる洪水と同じ量を下流に流すため、ダムがあることによって洪水被害が拡大することはありません。


                    洪水を可能な限り貯め込んだ後のダム
 −ダムに入ってくる洪水をそのまま流すので、下流へ流れる水の量はダムがない場合と同じになる−

問6 川上ダムで「既設ダムの堆砂除去のための代替補給」を行う必要はあるのですか? 



 
木津川上流域にある高山ダム、青蓮寺ダム、比奈知ダム及び布目ダム(以下、「既設4ダム」という)は比較的近接した位置にあり、川上ダムはこれらの既設4ダムから下流に補給する水の一部を代替して補給できる位置にあります。
 ダムが半永久的に機能するためには、有効な堆砂対策を講ずることが必要です。木津川上流の既設4ダムでは、この地理的な好条件を活かし、ライフサイクルコスト低減の視点から既設4ダムの水位を低下して効率的な堆砂除去を実施することとしています。
 このため、川上ダムに「既設ダムの堆砂除去のための代替補給」の容量を確保することとしています。



 
問7 川上ダムの既設ダムの堆砂除去のための代替補給の容量は、洪水期には洪水調節容量に用いることはできないのですか?



 
川上ダムは、洪水調節、流水の正常な機能の維持(既設ダムの堆砂除去のための代替補給を含む)、水道用水の供給を目的としており、それぞれの目的に応じた容量を確保しています。
 そのうち、既設ダムの堆砂除去のための代替補給の容量は、既設ダムに堆積した土砂の除去を計画的、継続的に実施するため、洪水期・非洪水期ともにダムに容量を確保しておく必要があります。このため、川上ダムの既設ダムの堆砂除去のための代替補給の容量を洪水調節容量として用いることはできません。

 
問8 既設ダムの利水容量が余っているのなら、その容量を堆砂除去のための代替補給のための容量として使えばよいのではないですか?



 
川上ダム建設事業の検証に係る検討では、「他用途ダム容量の買い上げを中心とした対策案」も含めて検討しています。
 検討にあたっては、既設ダムに参画して頂いている各利水者に対して活用可能な容量の有無を確認しています。既設ダムの利水容量の活用には、種々の条件を整理するなど協議に時間を要することから、各利水者から回答頂いた活用可能な容量を全量活用できるものとして検討を行っています。
 総合的な評価の結果、既設ダムの利水容量を有効活用するなどの案よりも「川上ダム案」の方が有利との結果となっています。

 
問9 川上ダムには、発電の目的は無いのですか? 



 
川上ダムは、洪水調節、流水の正常な機能の維持(既設ダムの堆砂除去のための代替補給を含む)、水道用水の確保を目的として建設する多目的ダムであり、発電の目的は有していません。
 なお、ダムの維持管理を行うために必要となる電力を確保するため、自家用の水力発電施設を整備し、維持管理費用の低減に努めていく予定です。

 
問10 川上ダム建設工事によって、貯水池周辺の環境に悪影響を与えませんか? 



 
川上ダムでは、ダムの工事による環境(大気環境、水環境、土壌に係る環境・その他の環境、動物、植物、生態系、景観、人と自然との触れ合いの活動の場、廃棄物等)への影響予測・評価を行っています。
 検討の結果、事業の実施に伴い動植物の一部の種については、生息・生育地の消失又は改変の影響を受けるなどすることから、環境保全措置を実施することとしており、それにより実行可能な範囲内でできる限り回避又は低減されると判断しています。
 なお、環境保全措置の実施にあたっては、学識者の指導・助言を得ながら、環境保全に努めていくこととしています。
 これらの環境影響予測・評価、環境保全措置についてまとめた「川上ダム建設事業における環境保全への取り組み」(環境レポート)を当ホームページ「環境レポート」に掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。

 
問11 ダムの工事を行うことで、オオサンショウウオがいなくなってしまいませんか? 



 
オオサンショウウオは、事業予定地(ダム堤体区域やダム貯水池予定地)及びその上流、下流に生息していることを確認しています。
 ダムが完成するとオオサンショウウオの生息環境は一部減少します。しかし、上流域にはオオサンショウウオの生息に適した環境の存在を確認していることから、学識者の指導・助言を得ながら上流域へオオサンショウウオを移転するなど、保全対策を実施していくこととしています。
 なお、オオサンショウウオの保全対策については、当ホームページ「オオサンショウウオ調査に関する環境保全対策」に掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。


 
問12 地質の良くない箇所から、貯水池の水が桐ヶ丘団地側に漏れ出す危険性はありませんか? 



 
川上ダム貯水池予定地と桐ヶ丘団地の間にある尾根では、ボーリング等による地質調査を行うとともに、毎年度湧水等調査を継続して実施しています。これらの調査結果から、この尾根には強固な岩盤があること、地下水位が常に洪水時最高水位よりも高いことを確認しています。
 したがって、ダム貯水池に水を貯めても、その水が桐ヶ丘団地側に流れ込むことはありません。
 なお、これらの調査結果は、当ホームページ「調査の概要」に掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。
※洪水時最高水位:洪水時、一時的に貯水池に貯めることが出来る最高の水位

川上ダム貯水池予定地と桐ヶ丘団地の間にある尾根の位置



尾根部の断面図
−地下水位が常に洪水時最高水位よりも高いことを確認

 
問13 川上ダムの周辺には、活断層があるのではありませんか? 



 ダムは、安全性を確保するために支障がある第四紀断層を避けて建設しなければなりません。そのため、ダムの建設に先立って、周辺の地質や岩盤に関する入念な調査を行います。
 川上ダムでは、第四紀断層に関して関連する文献や最新の知見に基づき、調査、検討を実施し、ダム堤体の近くに第四紀断層が存在しないことを確認しています。
 なお、これらの調査結果は、当ホームページ「調査の概要」に掲載していますので、そちらもあわせてご覧ください。


※第四紀断層 :約200万年前から現在までの地質時代の第四紀において、地表に変位を生じたことのある断層のことです。なお、活断層は、約30万年前から現在までの比較的新しい地質時代に繰り返し活動し、将来も活動する可能性がある断層のことです。

 
問14 川上ダム貯水池予定地内で盛土や伐採木が置かれているため、雨天時にそれらが下流側に流れてきているのではないですか?



 
川上ダム貯水池予定地内の盛土については、土留め柵や沈砂池などの土砂流出防止のための対策をとっています。
 また、貯水池予定地内の立木については、伐採後、貯水池外に持ち出しています。