高時川の川模様 〜河川巡視で出会ったもの〜
平成22年9月22日号


 「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、ここに来て朝晩は過ごしやすく、日中の暑さも和らいできたように感じますが、皆さんは如何ですか。
 9月21日現在、高時川は流れを保っています。台風9号による茶色い濁りもいつしかとれて、気が付けばコアユの産卵遡上が本格化していました。幾分水量の多いしっかりとした流れの中、小さな魚体で力強く上ってくる群れを見ると、改めて自然のたくましさを感じました。
 姉川と合流してからの下流域は川幅も広く流れも穏やかなので、川幅いっぱいのコアユの群れが見られます。橋の上で耳を澄ますと、ピチピチといぅコアユの跳ねる音が、流れる川音よりもしっかりと聞き取れました。
 コアユが来れば次はビワマス、このまま瀬切れずにいて欲しいものですね。
 平成22年9月13日(月)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
びわヤナ

 平成22年9月21日(火)の状況
阿弥陀橋上流
阿弥陀橋上流
福橋上流
福橋上流
びわヤナ
びわヤナ

 ダムダムくん  定点写真撮影場所  ニューちゃん
注)地図中の市町名・地点名は、平成21年12月31日現在の標記となっています。
 河川巡視等で職員が現場に出かけた際には、自らが気がづいた様々な状況も撮影しています。これらの記録は、移りゆく周辺環境を把握し、それらの情報を有効活用していくためのものでもあります。

【9月21日】 「途中で降られるかなぁ」と思いながら、河川巡視に行きました。途中、堤防脇に生えている木に実のなっているを発見!近づいてみるとイチジクでした(写真-1)。他の実はみんなまだ青いのに、一つだけ赤く色づいてました。何で一つだけ色づいてたんでしょうか?
 この時期、高時川の河川敷では、冬に収穫する野菜などの作付けが行われています。そんな中にありました!あのハクサイが(写真-2)。以前ご紹介した“雪かぶり白菜”ですが、見渡す限りに植えられていました。
 濁りのとれた高時川には、コアユがいっぱい! ところどころにあるヤナや堰を、力強く上っていました(写真-3)。瀬切れも解消して、濁りもとれて、きっとコアユ達もこのときを待ってたんでしょうね。
イチジク
写真-1 イチジク
(高月町雨森 H22.9.21)
ハクサイ
写真-2 ハクサイ
(湖北町八日市 H22.9.21)
コアユの遡上
写真-3 コアユの遡上
(びわヤナ:長浜市落合町 H22.9.21)
 高時川の中下流部では、水面がなくなり川が干上がる「瀬切れ」という現象が毎年のように発生しています。瀬切れの結果、遡上したアユなどが大量に死んでしまうとともに、周辺では死んだ魚による強烈な悪臭被害も発生しています。
 また、高時川下流域は昔から地下水に恵まれた地域で、水道用水などの水源として年間1.5〜2.5億m3が利用されてきました。しかし、近年、一部の地下水位は低下傾向にあり、安定的な地下水利用に対する不安があります。
高時川瀬切れ発生状況
注1)平成13年と平成14年は調査を行っていません。
注2)平成22年の結果は速報です。

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