奧秩父もみじ湖は、秩父多摩甲斐国立公園の特別地域内に位置し、周辺には貴重な動・植物や希少猛禽類も生息するなど豊かな自然が残されています。このような地域で工事を進めるのに際し、滝沢ダムでは学識者の指導と助言を受けながら自然環境への影響を可能な限り小さく、より豊かな自然が回復し維持されることを目的として、地域固有の樹木や野草(郷土種)による緑化、希少植物の新たな生育地ヘの移植、猛禽類繁殖の妨げとなる時期の工事一時休止、さらには環境学習会等を通じ職員を含めた関係者の環境意識向上にも努めてきました。
新たに誕生した奥秩父もみじ湖においても、この精神と行動を引き継ぎ、今後もクマタカ、オオタカ等の棲む湖及び周辺の自然が維持され、貴重な財産として将来世代に受け継いでいくことを誓い、ここに自然環境に対する基本的な考え方を定めます。
奥秩父もみじ湖及び周辺には。ミズナラ・カエデ類で構成される落葉広葉樹林が広がり、豊かな自然が残されています。ダム湖周辺において工事を行う際には、当該地域の自然環境を保全するため改変を少なくするとともに、早期に自然環境の回復や再生をしていきます。また。クマタカ等の希少猛禽類の保全を意識し、工事を行う際は遮蔽や騒音・振動防止等に努めるとともに、イぺントでの花火等も控えることとします。
奥秩父もみじ湖及び周辺には、地域特有の動植物が生息生育する独自の生態系が形成されており、今後も環境調査を行っていきます。動植物の生息生育環境の保全や遺伝子の攫乱・消滅を防止するため、緑化を行う際は地域固有の樹木や野草によるものとし、地域外からの動植物は持ち込み禁止とするとともに、外来種の侵入防止と除去に努めます。特にブラックバスなどの特定外来生物については積極的な対策を講じると共に、人々ヘの啓発を行います。
奥秩父もみじ湖に貯留される水は、飲料水等で人々に利用されるとともに、動植物の生息生育の場でもあり、豊かな自然環境の地にふさわしいものとなるよう保全に努めます。またダム湖においても継続的な監視を行い、濁水や富栄養化等ヘの水質対策を講じて、ダム湖や下流河川|の水がきれいに保たれるようなダム管理に努めます。