筑後川は、既存する記録だけでも、これまで約420年の間に、約220回もの洪水を引き起こしてきました。
洪水名 | 降雨規模 | 被害等 |
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昭和28年6月洪水 | 513.3mm/2日 | 床上 49,201戸 床下46,323戸 |
昭和54年6月洪水 | 375.3mm/2日 | 床上71戸 床下1,355戸 |
昭和55年8月洪水 | 304.2mm/2日 | 床上713戸 床下7,395戸 |
昭和57年7月洪水 | 269.0mm/2日 | 床上244戸 床下3,668戸 |
昭和60年6月洪水 | 332.5mm/2日 | 床上61戸 床下1,735戸 |
平成2年7月洪水 | 304.5mm/2日 | 床上937戸 床下12,375戸 |
平成3年9月洪水 | 一 | 山林被害 風倒木 1,500万本 |
平成5年9月洪水 | 182.6mm/2日 | 床上156戸 床下135戸 |
筑後川水系河川整備方針《平成15年10月》より
洪水の調節時には、大雨により増水した河川水の一部をダム貯水池に貯め込むとともに、下流河川で安全に流れる水の量を放流しています。
堀(ほり)のことをクリークといいます。
筑後平野と佐賀平野は、全国でも有数の田んぼの多い土地です。
そして、その水田はとても広い範囲にひろがっているために、昔から、水の確保が重要な問題でした。
そのために、
●水を田んぼへ送る役目(用水路)
●水をためておく役目(ため池)
などの役目を持つクリークが発達しました。
人の手によって作られたクリークですが、長い年月の中で自然とむすびつき、水辺に住む多くの生き物にとって、ゆたかな生態系(せいたいけい)をもたらしています。
海は一日2回、干潮と満潮をくりかえし、高さが変わります。有明海は海の水面の高さが、大きいときは6mちかくも上がったり下がったりします。
また、筑後川にはたくさんの水が流れていますが、筑後川はまわりの土地より低いところにあるため、いつでも水が取れるわけではありません。 海の水面の高さが上がると、海の水が筑後川に上がってきて、筑後川の水の高さも上がります。 その時、川の水は海の水よりも軽いため、海の水より上にあります。このように海の高さの変化を利用して、海の水の上にある川の水だけを取る方法を「アオ取水」といいます。こうして取られた水は「クリーク」という水路にいったんためられ、そこから田んぼへ運ばれました。