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渇水被害の緩和

平成6年の渇水は、私たちの暮らしだけでなく農業や漁業など各方面に大きな影響を及ぼしました。年間降雨量は筑後川流域平均の50%にも満たず、昭和53年を上回る大渇水が発生しました。

もしも当時、江川ダム、寺内ダム、筑後大堰、福岡導水などの施設がなくて貴重な水をコントロールできなかったら、もっと大きな影響が出たかもしれません。

「いのちの水」を送り続けた福岡導水

福岡都市圏の給水量・筑後川からの導水グラフ

福岡導水は、江川・寺内ダムや筑後大堰などで開発された水を、福岡都市圏に送るために建設され、福岡都市圏の水使用量の約30%を供給しています。平成6年は筑後川水系での取水制限もあり、供給量は例年よりわずかに低くなっています。しかし、筑後川の水が福岡都市圏に届かなかったらと考えると、福岡導水の役割は数字では測りきれないものがあります。

底水放流など、例年以上にフル稼働した寺内ダム

年間流入量・有効利用量グラフ

例年、寺内ダムは年間流入量の約40%を有効に利用しています。平成6年は、年間流入量が極端に少なかったものの、平成5年の流況が良くほぼ満杯の状態で渇水に臨んだこと、また堆砂容量(底水)を120万m3も利用したこともあり、年間流入量の約1.1倍もの水が寺内ダムによって活用されました。

利水者同士の融通、助け合い

筑後大堰からの緊急放流の写真
筑後大堰からの緊急放流
緊急放流水の取水の写真
緊急放流水の取水
江川ダムの写真
江川ダム
寺内ダムの写真
寺内ダム

平成6年の渇水では、通常の水運用にとらわれず、利水者同士で水を融通し、助け合いました。機構の江川・寺内では農業、上水、工水の利水間で融通が行われ、他の機関で管理されている松原、下筌、合所ダムなどにおいても、利水間の水の融通の実施されました。

又、筑後川下流域では農業取水が困難となったため筑後大堰から4回の緊急放流を実施されるなど、利水者同士の相互扶助により、多くの地域で渇水による被害を最小限にとどめることができました。

平成6年渇水は、給水制限日数は昭和53年渇水より多かったものの、施設の整備などにより延断水時間は、ずっと少なかったのです。

昭和53年渇水 平成6年渇水
年雨量 福岡管区気象台 1,138mm 891mm
筑後川流域平均 1,332mm 1,055mm
給水制限状況(筑後川関連) 6市6町 5市14町1村
福岡市の例 一番厳しいときの給水時間 5時間給水 12時間給水
給水制限日数 287日 295日
延断水時間 4,054時間 2,452時間
給水車の延出動回数 13,433台 0
上水道の施設能力 478,000m3/日 704,800m3/日
うち筑後川からの取水 100,000m3/日 233,300m3/日

※筑後川取水は女男石取水(江川ダム)を含みます。