3.基礎処理(グラウチング) |
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コンクリートダムが乗る岩盤はいづれも堅固であることを要求されますが、岩盤の堅固さはところどころに堅さのムラがあります。こうしたムラを無くし岩盤を一体化してコンクリートダムを支えるため、基礎処理(コンソリデーショングラウト)を行います。 |
コンソリデーショングラウトは、ボーリングマシンで掘った穴に、圧力を掛けたセメントミルクを流し込むものです。5mずつ掘り進んでセメントミルクを注入し、また5m掘り進んではセメントミルクを注入する、という具合に15m〜20mの深さまで岩盤を改良します。
写真は、木製の足場の上にボーリングマシンを設置し、岩盤を掘り下げているところです。木製の足場は滑りにくいスギ丸太を用いています。竹は軽いのですが滑りやすく危険とされていました。作業員の安全確保のため単管パイプに足場板を敷き、階段や手すりをなどの設置が義務づけられている現在とは、作業の安全に対する考え方が随分と違っているようです。
このほかにも基礎処理には、カーテングラウトがあります。カーテングラウトは、ダムの遮水性を向上させるために遮水ゾーンに施工されるもので、下久保ダムでは、最大深さ60mまで掘り下げ、岩盤の中にカーテン状にセメントミルクを注入しました。
カーテングラウトには、ダムにより貯め込んだ水圧により発生が懸念される基礎岩盤中のパイピング現象を防止するという極めて重要な役割を担っています。また、下久保ダムでは、主カーテングラウトと補助カーテングラウトの2列にわたって基礎処理を行っています。
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