HOME > 総合技術センター案内 > 面材摩耗試験及び面的摩擦試験について
独立行政法人水資源機構では、指定7水系における国の公共事業施策の一環として40年以上にわたり大規模な水資源開発施設を数多く建設し管理してきております。
総合技術センターは、これら培った技術力を基に、水に係る各種の技術的課題に対する技術支援を行うことによりさらなる社会貢献を目指すため平成20年4月に設置されました。
総合技術センター試験場は、水資源機構が建設・管理するダム、堰、水路等の様々な技術的課題に対処して、各種試験、解析を実施しています。
具体には、大型試験機器等による各種材料試験や解析、水理模型実験、実構造物の耐震性能評価、貯水池水質解析などを実施しています。
今後は、これらの経験を活かし水に係る技術的課題に取り組む試験機関として、さらに各種試験等の受託業務を実施し社会貢献をしてまいります。鉄線籠型護岸蓋網部の線材に関する面材磨耗試験および面的摩擦試験は、河川護岸に施工する鉄線籠型護岸工法で使用される鉄線籠蓋網部の要求性能のうち長期的な摩擦抵抗を評価し、滑りに対する安全性を確認するための試験です。
鉄線籠型護岸の設計・施工に関しては、「鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)」(平成21年4月国土交通省河川局治水課)が出されており、これらの要求性能については、メッキ工場等での自主試験の他に、公的機関において試験を実施し品質管理するよう規定されています。
総合技術センター試験場では、この要求性能のうち長期的な摩擦抵抗を評価する面材磨耗試験および面的摩擦試験を受託しています。(表1.1)
表1.1 鉄線籠型護岸の要求性能
項目 | 要求性能 | 確認方法 | |||
試験方法 | 試験条件 | 基準値 | |||
線材に要求される性能 | 母材の健全性 | 母材が健全であること。 | JIS H 0401の間接法で使用する試験液によるメッキの溶接後の母材鉄線の写真撮影 | メッキを剥いだ状態での母材鉄線の表面写真 | 母材に傷がついていないこと。 |
強度 | 洗掘時の破断抵抗及び洗掘に追随する屈とう性を有する鉄線籠本体の一部として機能するために必要な強度を有すること。 | 引張試験 (JIS G 3547に 準拠) |
- | 引張強度 290N/mm2以上 |
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耐久性 | 淡水中での耐用年数30年程度を確保すること。 | 腐食促進試験 (JIS G 0594に 準拠) |
・塩素イオン濃度 0ppm ・試験時間 1,000時間 |
メッキ残存量 30g/m2以上 |
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線材摩耗試験 | ・回転数 20,000回転 |
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均質性 | 性能を担保する品質の均質性を確保していること。 | 「8.線材の品質管理」に基づくこと | 別途定める品質管理基準における基準値を満足すること。 | ||
環境適合性 | 周辺環境に影響を与える有害成分を溶出しないこと。 | 「1.適用河川」に基づくこと | - | ||
上記性能に加えて蓋材に要求される性能 | 摩擦抵抗(短期性能型) | 作業中安全のために必要な滑りにくさを有すること。 | 面的摩擦試験 または 線的摩擦試験 |
- | 摩擦係数 0.90以上 |
摩擦抵抗(長期性能型) | 供用後における水辺の安全な利用のために必要な滑りにくさを有すること。 | 線材摩耗試験後の線的摩擦試験 または 面材摩耗試験後の面的摩擦試験 |
【線材摩耗試験の場合】 回転数 2,500回転 【面材摩耗試験の場合】 回転数 1,000回転 |
摩擦係数 0.90以上 (初期摩耗後) |
鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)P25より
試験方法
試験方法は鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)の「KIP T 0904 面材磨耗試験方法」に従い、行っております。
「鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)」(平成21年4月国土交通省河川局治水課) 参考資料 32~36p抜粋 ( PDFファイル 459KB)
試験方法
試験方法は鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)の「KIP T 0903 面的摩擦試験方法」に従い、行っております。
「鉄線籠型護岸の設計・施工技術基準(案)」(平成21年4月国土交通省河川局治水課) 参考資料 27~31p抜粋( PDFファイル 434KB)