一庫ダム建設の経緯
▲1960(昭和35)年洪水時の絹延橋
一庫ダムが建設された猪名川は、淀川から枝分れしている神崎川に流れ込む河川で、淀川水系に属しています。この猪名川の下流地域には尼崎市、伊丹市、豊中市、中流地域には川西市、宝塚市、池田市、箕面市があります。この地域は戦後、経済の成長によって関西の中心地として急激な発展を遂げ、関連地域人口は約160万人に急増し、水不足が深刻な問題となってきました。
また、猪名川は昭和13年の神戸を中心とした大洪水や、昭和28年の台風13号による近畿一帯の大洪水など、たびたび大洪水があり、そのたびに沿岸の人たちは大きな被害をこうむってきました。
▲猪名川流域関係市町の人口推移
このため洪水調節機能をもったダムをつくり、猪名川の河道改修と一体となって洪水の被害を軽減し、併せて渇水時には農業用水、上水道用水としてダムから水を補給するとともに、新たに50〜60万人分の都市用水を生みだす多目的ダムの建設計画が誕生しました。そして昭和43年8月1日に調査所を開設してから昭和59年3月まで、16年の歳月と638億円の巨費を投じて一庫ダムは完成しました。
一庫ダムのあゆみ
- 1968(昭和43)年8月
- 一庫ダム調査所 発足
- 1968(昭和43)年10月
- 一庫ダム事業実施方針の指示
- 1969(昭和44)年6月
- 一庫ダム建設所設置
- 1974(昭和49)年7月
- 水源地域対策特別措置法に基づくダムに指定
- 1977(昭和52)年5月
- 一庫ダム本体工事着手
- 1978(昭和53)年4月
- 一庫ダム事業実施方針の変更
- 1979(昭和54)年3月
- 一庫ダム本体のコンクリート打設開始(昭和56年10月完了)
- 1979(昭和54)年10月
- 一庫ダム定礎式
- 1981(昭和56)年11月
- 試験湛水開始(昭和58年5月終了)
- 1982(昭和57)年4月
- 一庫ダム竣工式
- 1983(昭和58)年3月
- 施設管理方針の指示
- 1983(昭和58)年4月
- 一庫ダム管理開始
- 1983(昭和58)年9月
- 台風10号による下流の浸水被害
- 1990(平成2)年6月
- ダム湖活用促進事業のダムに指定
- 1994(平成6)年
- 列島渇水により最大で上水30%・農水40%の取水制限、最低貯水率9.9%を記録
- 1995(平成7)年1月
- 兵庫県南部地震(阪神大震災)にて震度5を記録
- 2000(平成12)年4月
- 施設管理規程の変更(洪水調節ルールの変更)
- 2003(平成15)年〜
- 下流河川改善の取り組み(フラッシュ放流+土砂還元)を開始
- 2006(平成18)年〜
- 弾力的運用の試験を開始
- 2018(平成30)年7月
- 前線の出水により管理開始以降最大となる流入量630m3/sを記録
- 2019(令和元年)年6月
- 施設管理規程の変更(洪水調節ルールの変更)
- 2021(令和3年)年3月
- 治水協定に基づく事前放流実施要領策定
一庫ダム物語
川西市商工会様が製作され、平成16年3月までホームページに掲載されていた 「一庫ダム物語」を、川西市商工会様のご厚意により一庫ダムのホームページで掲載させていただくことになりました。
こちらからどうぞ
※一部古い情報がありますが、そのまま掲載しております。
ダムのはたらき
○ダム全般のはたらきについては、水資源機構広報誌にてわかりやすく特集されています。
(あらためて知ってほしい「ダム」のはたらき、PDFファイル)
第1回 ダムの基本 (ダムの形式や役割など)
第2回 「洪水調節」の役割
第3回 「水の安定供給」の役割