両筑平野用水施設は、昭和50年(1975年)の管理開始以来、肥沃な農業地帯である両筑平野地域へ農業用水を補給し、食料供給基盤を支える施設としての機能や、福岡・佐賀両県内の生活用水や朝倉市の工業用水を供給する重要なライフラインとしての機能を果たしてきました。
しかし、管理移行から既に30余年が経過し、施設の老朽化に伴って施設の機能低下が進行しており、安定的な用水供給の確保や施設の安全性確保への危惧が生じてきました。また、両筑土地改良区が管理している水路施設は、兼業農家の増加に伴う水利用時期の集中や操作員の高齢化等に加え、施設の老朽化や湧水・ため池等の地区内補助水源の減少により、きめ細やかな配水操作への対応に困難を来してきました。
このため、両筑平野用水二期事業において、老朽化した施設の改第・更新を行うとともに、配水形態を踏まえた施設の改善や水管理システムの導入を行うことにより、水の安定供給と施設の安全性の確保を図ることを目的として、事業を実施して参りました。
施設の老朽化により、 埋設管からの漏水が頻繁に発生したり、 トンネル内に亀裂が発生するなど、 安定的に水を届け続けることや、 施設の安全確保が難しくなっていました。
老朽化した施設を改築して、施設の安全性の回復と長寿命化により、水資源の有効活用を図りました。
水管理システムを導入したことで、 配水操作の労力を軽減し、 緊急時の迅速な対応やきめ細やかな配水対応が可能になりました。