ダムの目的
1 洪水調節
浦山ダムでは、ダム地点の計画高水流量(およそ100年に1度起こりうる洪水の規模)1,000m3/秒のうち、890m3/秒をダムで貯め(洪水調節という)、ダム下流への放流量を110m3/秒に減らすことにより下流域の洪水被害の軽減を図ります。
なお、洪水調節は、常用洪水吐きという「穴」から少しずつ放流されますが、ゲートによる放流量の調節は行われないことから自然調節方式と言われる方式で行われます。
2 既得取水の安定化、河川環境の保全
河川の流量が豊富な時にダムに貯留し、逆に不足している時にダムから補給することにより荒川沿川の既得取水(古くから取水されている農業用水等の取水)が安定してできるように、また河川環境の保全等のために必要となる流量が確保できるようにします。
3 水道用水
秩父市の水道用水として最大0.234m3/秒、埼玉県の水道用水として最大2.696m3/秒、東京都の水道用水として最大1.170m3/秒、合計4.1m3/秒の取水が可能となるようにします。これは一人一日当たりの平均水使用量を305リットルとすると、約116万人分の使用量に相当します。
4 発電
水力発電が、東京発電(株)により行われます。ダムからの放流水(最大4.1m3/秒)を利用して最大出力5,000kWの発電を行います。