琵琶湖開発事業で実施した治水および利水対策の効果によって、洪水や渇水の被害が大きく軽減されるようになり、事業の終了後に起こった1994年の渇水や、1995年の洪水においても、以前のような深刻な被害は発生しませんでした。
大幅に水位が低下し、干陸化した湖岸(延勝寺付近)で貝掘りをする人々
取水施設の沖出しで、水位が低くなっても湖の水を取水できるようになったこと、洗堰のバイパス水路で下流への適切な放流が行えるようになったことなどで、淀川下流では以前のような深刻な水不足はなく、また琵琶湖周辺の稲も平年を上回る豊作となり、流域全体の暮らしに直接的な支障はありませんでした。
前浜がひろがった新旭付近
水位が低くても船が出入りできる漁港
湖上の趣を留めた浮御堂
琵琶湖・淀川流域における 渇水による取水制限日数
※2002年の渇水では最低水位がB.S.L.ー1m近くまで低下し、さらに、この低水位の継続期間が長期にわたったため、取水制限日数が増加しましたが、流域全体の暮らしには影響はほとんどありませんでした。
湛水したビニールハウス
湖岸堤による浸水の防止、内水排除ポンプによる湛水期間の短縮、瀬田川の疎通 能力の高まりなどの効果で、下流はもちろん琵琶湖周辺でも湛水期間(水につかる期間)が大幅に短くなり、被害を少なくすることができました。
全開放流の洗堰
湖岸堤で止められる琵琶湖の水
内水排除ポンプの働きで長時間の湛水 をのがれた田畑
過去の湛水面積及び湛水日数