■沈水植物の琵琶湖全域調査概要

沈水植物は、琵琶湖の基礎生産者であり、他の生物の生息場になるなど、沿岸生態系の基幹をなす生物群です。
独立行政法人水資源機構では、水位低下による琵琶湖全体の生物への影響を評価する際の基準となる生物基礎情報収集のため、数年に1回夏期に、琵琶湖全域を対象に沈水植物の調査を行っています。

調査地点及び方法

観測地点と方法
ベルトトランセクト法

湖岸に設定した基点から沖に向けて沈水植物生育下限まで沈子ロープを設置し、GPS(衛星航法装置)を用いて約100m(1997年は約220m)ごとに緯度・経度を測定した。沈子ロープに沿って、10mごとに水深と埋没深を測定しました。また、ベルトトランセクト法により、観察幅2mで測線上を10mごとに底質類型の占有度、沈水植物の植被率、種別被度階級を観察し、記録しました。
なお、観察は沈水植物生育下限を確認するまで行い、南湖の遠浅の測線では最大2,000mまでとしました。
音響測深器を測線に沿って走査し、100縲鰀200mごとにマークを入れ、記録紙から10mごとに水深と群落高を0.1mまで読み取りました(ただし、1997年と1998年は観測していません)。


潜水調査要領

水  深

調査状況

調査状況

メジャーまたは水深計により0.1mまで測深、B.S.L.に換算

植 被 率

区間面積に対する沈水植物の投影面積の割合を、10%ごとにランク分けして記録


区間面積の100%
区間面積の90%


区間面積の10%
まばらである(1%とする)
植生なし(0%)

被  度

区間面積に対する沈水植物の種別投影面積の割合を、以下の6段階で記録。

5

区画面積の3/4以上に生育

中央値 87.5%

被度階級5

4

区画面積の1/2縲鰀3/4に生育

62.5%

被度階級4

3

区画面積の1/4縲鰀1/2に生育

37.5%

被度階級3

2

区画面積の1/10縲鰀1/4に生育

17.5%

被度階級2

1

区画面積の1/100縲鰀1/10に生育

5.5%

被度階級1

+

区画面積の1/100以下(まばらである)

0.5%

被度階級+

B.S.L.: Biwako Basic Surface Water Level の略。±0mが琵琶湖基準水位。


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