日本経済が発展していくにつれ、東京湾沿いの京葉臨海工業地帯の千葉市、市原市を中心とした地域開発が進みました。また、木更津地域にいたる臨海南部の海面埋め立てによって造られた造成地域へ各種企業が進出しました。また、首都圏に位置する千葉市及びその周辺都市、及び東金、茂原市を含む九十九里沿岸地域や、夷隅郡から館山市に至る南房総地域でも、生活様式の高度化や交通機関の発展により宅地や海洋リゾートが開発され、水道用水の需要が伸びました。
以上のような水の需要に対応するため、国と千葉県は、利根川の水の開発と合理的利用を目指し、県内の河川の水開発を促進させることなどで、水源を確保し供給してきました。
房総導水路事業は利根川の水資源の合理的な開発の一環として計画されました。利根川の水を、既存の両総用水施設を共用して取り入れ、新しく造られた導水幹線水路で導水します。その水を東金ダム、長柄ダムに導水し、さらに貯留調整することで毎秒8.4m3を上記の地域の工業用水や水道用水として供給します。

