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管理業務

Management

人々の暮らしを洪水から守るとともに、大切な水を必要な場所へ確実に届けられるよう、
ダムや水路等の施設を管理し、洪水被害の軽減、防止や安定的な水供給に貢献しています。

管理業務の仕事内容

01.防災対応

洪水被害の軽減・防止のため、雨量等の気象情報やダム上下流の河川状況把握、関係機関との情報連絡を行い、的確な施設操作を行っています。

02.配水管理

ダムや水路、堰、調整池などを造り、完成後は水のライフラインとしてそれらの施設を管理し、安定的な水供給を担っています。

03.施設の維持管理

洪水調節機能の確実な発揮や、安定的な水供給のため巡視・点検や整備を定期的に行います。施設の補修・補強や更新が必要な場合は、計画について関係者調整を行い、実施します。

04.水質・環境保全

安全で良質な水を供給するため、水質の保全に努めるとともに、施設周辺の自然環境の変化を把握し、必要に応じて環境に配慮した取り組みを実施します。

事例紹介

Case01. 防災対応

平成30年7月豪雨(西日本豪雨)

「平成30年7月豪雨」(西日本豪雨)では、多くのアメダス観測点で48時間や72時間雨量の観測史上1位の記録を更新するなど、西日本から東海地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となり、水資源機構が管理する岩屋ダム、日吉ダム、一庫ダムで管理開始以降最大の流域平均雨量、ダム計画雨量を超えるこれまでに経験のない出水となりました。岩屋ダムでは、ダムの洪水流量を超える流入量のピークが3回発生する異例の事態となる中、ダム下流沿川の関係機関からの相次ぐ緊急放流の開始時刻を遅らせて欲しい旨の要請を踏まえ、緊急放流開始水位を超えた後も、その後の刻々と変化する降雨状況及びダム流入量の変化を捉え、洪水時最高水位までの残容量を計算しながら、管理開始以来初めてとなる緊急放流について開始タイミングを見極めるという極めて難易度の高い洪水調節を実施しました。
緊急放流実施後は、下流河川の安全性を考慮した時間当たりの放流量の増量限度を臨機に定めた操作を行いつつ、貯水容量の98%まで洪水を貯留することで、管理開始以降最大となる洪水調節総量約5,900万m3の洪水を貯留し、ダムへの最大流入時に下流へ流す水量を4割低減させ、ダム下流の東沓部地点の河川水位をダムがない場合と比べ、推定で最大約1.0m低減させるなど、下流沿川の洪水被害を軽減させました。

洪水前 7/4 9:00頃

洪水前 7/4 9:00頃

洪水後 7/8 15:30頃

洪水後 7/8 15:30頃

令和元年東日本台風

「令和元年東日本台風」の影響により、1都12県で大雨特別警報が発表され、多くの地点で12時間降水量等の観測史上1位の記録を更新し、北日本と東日本のアメダス地点(1982年以降で比較可能な613地点)で観測された日降水量の総和は観測史上1位となり、水資源機構が管理する下久保ダム、草木ダムにおいて管理開始以降、最大規模となる洪水に見舞われました。
草木ダムでは、非洪水期において管理開始以降最大となる洪水に対し、予備放流による洪水調節容量を確保しつつ、刻々と変化する降雨状況や流入予測等を捉え、ダム操作方法について検討した結果、施設管理規程に基づく通常のダム操作を実施した場合は緊急放流を避けられないと予測され、ダム下流地点の浸水被害の発生が懸念されました。関係機関と協議を重ね、予備放流に加え事前放流を実施し、管理開始以降、非洪水期において最大となる洪水に対して、約2,184万m3の洪水を貯留するとともに、ダムへの最大流入量時に下流へ流す水量を約6割低減しました。
今回の防災操作により、ダム下流の高津戸地点の河川水位をダムがなかった場合と比べ推定で約2.6m低減させるなど、下流沿川の洪水被害を防止・軽減しました。
この過去に例のない規模の事前放流を伴う洪水調節が評価され、令和2年度土木学会賞技術賞、ダム工学会技術賞を受賞しました。

洪水前 10/12 9:30頃

洪水前 10/12 9:30頃

洪水後 10/14 10:30頃

洪水後 10/14 10:30頃

Case02. 渇水対応

2016年(利根川水系)

利根川水系では前年からの記録的な小雪に加え、暖冬による早い雪解けと5月の小雨により、例年より早くダムから水を補給することが必要となるなど、過去に例を見ない厳しい渇水が予想される中、ダム施設おいてはダムに貯留する水量が大きく減少することから貯水池における水質調査や巡視回数を強化するとともに、矢木沢ダムの発電専用容量の渇水対策を目的とした放流について、関係機関と渇水協力に係る覚書を締結するなどの連携を図りました。水路施設においては、関係する利水者等と緊密な連絡・情報共有を図り、水需要の変化に応じたきめ細かな取水量及び配水量の変更操作等の施設操作を行うことで上流ダムの貯水量温存を図るとともに、取水制限の強化に備えて農業用水利水者間の水融通について調整を行いました。

矢木沢ダム 貯水率9%(6/14)

2019年(木曽川水系・豊川水系)

木曽川水系及び豊川水系の流域では、1月からの降水量が例年に比べ少ない状態が続き、河川の流量が減少し、厳しい渇水が予想される中、降雨等の気象情報の収集や天候に応じた水需要を収集し、取水量及び配水量の変更操作等きめ細かな施設操作を143回実施(渇水のない通常時の約1.4倍)するとともに、ダム、調整池、頭首工等を総合的に運用し、佐久間導水施設から導水することで、農業用水や都市用水の需要に対応しました。
また、効率的な水利用を行うために関係する利水者等への水源情報の提供を通常の約6倍の頻度で行うとともに、節水対策協議会を5回開催し、水資源機構が中心となり節水率の調整や節水実施の合意形成を図りました。

宇連ダム 貯水率0%(5/19)

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